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【アメリカ】機関投資家の要望に応じ、グローバル企業20社が続々と気候変動へのコミットメントを表明

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世界のサステナビリティ業界をリードするアドボカシーNPOのCeresは8月15日、2014年の株主総会シーズンにおける気候変動およびパーム油調達に関する企業と投資家の最新の動きをまとめたリリースを発表した。

Ceresによれば、2014年の株主総会シーズンの間、機関投資家らは約150の気候変動に関する株主決議案を自身の投資先企業に提出し、世界を代表する主要なグローバル企業20社らはそれに応じる形で温室効果ガスの削減、持続可能なパーム油の調達に関する目標にコミットメントしたという。

具体的には、ConAgra、J.M. Smucker Co.、Kellogg、General Mills、Mondelez、Panera、Safewayらが機関投資家の提案に応じ、100%追跡可能かつ責任あるパーム油の調達を約束した。この中にはパーム油の購入量で世界トップ10に入る企業も含まれている。

これらパーム油に関する企業のコミットメントを引き出した機関投資家には、Clean Yield、Domini、Social Investments、Green Century Capital Management、The New York State Comptroller’s Office、Trillium、そしてInterfaith Center on Corporate Responsibility(ICCR)のメンバーらが含まれる。

パーム油はグローバル全体の森林破壊の主たる要因とされており、EPA(Environmental Protection Agency:米国環境保護庁)によれば、グローバルにおける温室効果ガス排出量の20%はパーム油のための森林破壊に起因するとされている。このような状況下においてパーム油の責任ある調達への要望も世界的に高まる一方だが、その変化に応じて企業も続々とコミットメントを示している。

例えば、ConAgraのサプライヤーで、米国への世界最大のパーム油輸出企業でもあるCargillは、ConAgraがGreen CenturyおよびNew York State Common Retirement Fundとの最終合意に至る数日前に、森林破壊に関与しているサプライヤーからのパーム油を一切購入しないと発表した。他にも、Kellogg社は初めて森林破壊ゼロのパーム油しか購入しないことを発表し、日用品の世界最大サプライヤーWilmarは森林破壊ゼロポリシーを採用するなど、パーム油産業全体で今年から変化が加速し始めている。

新たなパーム油生産のための森林破壊が減ることは、二酸化炭素排出量の削減に大きなインパクトをもたらすと期待されている。実際に、40以上の機関投資家が支援を表明しているWilmarのコミットメントだけでも、2020年までに15億トンものCO2削減に成功すると推測されており、これは中南米全体の年間CO2排出量に匹敵する量だ。

上記のような気候変動に関する決議数の増加は、機関投資家が自身のポートフォリオに気候変動がもたらすリスクと機会について高い関心を持っていることの表れでもある。長期投資を重視する機関投資家にとっては、投資先企業が気候変動問題に対してどのように取り組んでいるのかが重大な投資判断材料となるのだ。

こうした一連の企業および投資家の動きに対し、Ceres代表兼INCR(Investor Network on Climate Risk)の役員を務めるMindy Lubber氏は「今年の成功は、投資家らが企業に高いハードルを設ければ、彼らのポートフォリオの中にある企業は彼らの事業にサステナビリティを統合するためにより一層努力するということを示している。このような投資家と企業との生産的な対話は企業に良い評判をもたらし、温室効果ガス削減のイニシアチブにおいて高い投資対効果を実現するのに役立つ」と語った。

また、今年の株主総会シーズンにもたらされたその他のコミットメントとしては、下記が挙げられる。

  • 15の企業が多様な投資家からの要求に応じ、包括的なサステイビリティの年次報告書を発行することに合意した。
  • 5の企業が、The New York State Comptroller’s Officeにより提案された決議案に応じて、主たるサプライヤーと協力し、彼らのサプライヤーにサステナビリティ年次報告書を発行させることを約束した。
  • 7の企業が、California State Teachers Retirement Systemからの決議案に応じてエネルギー効率を向上させることに合意した。

気候変動というグローバルイシューの解決に対する投資家から企業への期待は確実に高まってきている。機関投資家が投資の判断材料として企業のサステナビリティ活動状況を重要視すればするほど、企業は自身の行動を変えざるを得ない。投資家を惹きつけたい企業にとっては、自社のサステナビリティ目標や進捗達成状況をどのようにアピールしていくかがより問われることになる。

【リリース原文】Investors Secure Groundbreaking Corporate Commitments to Protect Forests, Reduce Carbon Emissions
【団体サイト】Ceres

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