消費者庁は10月16日、「食べ残し持ち帰り促進ガイドライン」案を発表した。11月15日までパブリックコメントを募集する。
日本政府は現在、2030年度までに食品ロス量を2000年度比50%減とする目標を掲げている。また、食品ロス量の過半を占める事業系食品ロス量のうち、約4分の1が外食産業から発生しており、その排出要因の約5割が「食べ残し」との推計がある。
一方、食べ残しの持ち帰りに関しては、法的関係が不明瞭であることや、持ち帰りに伴う飲食店の法的及び衛生的なリスク等がこれまで指摘されてきており、同庁は今回、ガイドライン案をまとめた。
飲食店側が実施すべきこととしては、まず、生ものなど類型的に食中毒の可能性が高い飲食物については食べ残し持ち帰りについて合意せず、持ち帰る飲食物を特定し提供すべきとした。
その上で、持ち帰ることのできる飲食物の種類、持ち帰る際の飲食物の状態等を踏まえ、持ち帰って食べる際の安全性に関する注意事項の説明をすべきとした。安全上の注意事項については、現在、厚生労働省が食べ残し持ち帰りに係る食品衛生ガイドラインを策定している。具体的には、飲食店が用意する持ち帰り容器に直接当該注意事項を記載することや、持ち帰り容器の提供と共に当該説明事項が記載された文書を渡すといった措置等が有効とした。
さらに、飲食店は、顧客との間で自らの法的リスク等の予見可能性を高めるため、あらかじめ食べ残し持ち帰りに当たっての利用規約を定めておくことを推奨。当該利用規約には、例えば、顧客が、食べ残し持ち帰りの際に注意すべき事項、顧客との間における責任関係の明確化に関する事項、損害賠償請求に関する確認条項等を定めておくことが考えられるとした。同ガイドライン案には、飲食店の利用規約における食べ残し持ち帰りに係る条項案についても記載されている。
また、万が一の事後的なトラブルに備え、持ち帰り日時や対象物等を記録管理しておくことが望ましいとした。食中毒に関する正しい理解及びコンタミネーションを含むアレルゲンに関する事項の周知も勧めた。
【参照ページ】「食べ残し持ち帰り促進ガイドライン(案)」に関する意見募集について
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