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【日本】アンモニア混焼石炭火力とIGCC、コストとCO2削減の両面で無意味。英シンクタンク分析

 英シンクタンクTransitionZeroは2月14日、日本の石炭火力発電政策に関する分析・評価レポートを発表。アンモニア混焼型も含め、日本の高効率石炭火力発電は、ソリューションにならないと結論づけた。日本の石炭火力発電政策にとって逆風となる提言レポートとなっている。

 TransitionZeroは、英ロンドンで2020年に設立。ブルームバーグ・フィランソロピーズ、グーグル財団、クアドラプル・クライメート財団が運営資金を拠出している。データ重視でカーボンニュートラルに関する提言を行っている。英環境シンクタンクのカーボン・トラッカーとも連携している。

 同レポートは、日本が官民で推進する石炭ガス化複合発電(IGCC)、アンモニア混焼、二酸化炭素回収・貯留(CCS)敷設型の3つの石炭火力発電方式を、二酸化炭素排出両削減とコストの両面から検証した。

 結果、国際エネルギー機関(IEA)の2030年ネットゼロ排出シナリオ(NZE)に比べ、平均で原単位排出量水準が5倍にもなってしまうことがわかった。 試算では、IGCCでは排出量が670g/kWhで、NZEシナリオでの想定138g/kWhの約5倍。アンモニア混焼でも、20%混焼で同じく5倍、50%混焼で3倍以上だった。現状の日本のガス火力発電平均にも及ばなかった。

 コスト面では、2020年と2030年の2時点で比較。政策で重要となる2030年の見通しでは、アンモニア混焼は非常に発電コストが高く、IGCCにCCSを付けたものでも比較対象の電源でも最も高い水準だった。一方、太陽光発電だけでなく浮体式洋上風力発電は、コスト優位性があり、安定電源化のために蓄電設備を併設しても、コストを十分に抑えられることがわかった。

 この結果を受け、TransitionZeroは、アンモニア混焼やIGCC推進の政策を再考するよう提唱。洋上風力発電を含む再生可能エネルギーの学習曲線(エクスペリエンス・カーブ)によるコスト削減に注力すべきとした。

【参照ページ】日本の石炭新発電技術

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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