63ヶ国政府は12月1日、国連気候変動枠組条約第28回ドバイ締約国会議(COP28)の場で、「気候行動のための高アンビション・マルチレベル・パートナーシップ連合(CHAMP)」を発足。地方自治体レベルでの気候変動政策の策定を進めるイニシアチブが動き出した。
同イニシアチブは、現在、政府レベルで策定が求められている国別削減目標(NDC)、国家適応計画(NAP)、国家生物多様性戦略・行動計画(NBSAPs)、長期低排出開発戦略(LT-LEDS)等を地方自治体レベルでも策定することを促していくというもの。
イニシアチブに参加する国は、地方自治体との協議や協力、2025年のCOP30に向け地方自治体がリーダーシップを発揮できるようにするためのプロセスの構築等を進める。また地方自治体の進捗状況を国主導でモニタリング。地方自治体を含めた国際的なハイレベル対話の機会も創出していく。
加盟したのは、日本、米国、カナダ、英国、ドイツ、フランス、イタリア、韓国、パキスタン、バングラデシュ、フィリピン、ブラジル、チリ等。
またCOP28では12月6日、国連人間居住計画(UN-Habitat)とCOP28国連気候変動ハイレベル・チャンピオンが主導する形で、持続可能な都市開発のための新たなパートナーシップやイニシアチブが発表された。
まず、フランスとモロッコが主導し27カ国が加盟した「ビルディング・ブレークスルー」。2030年までに不動産の建設及び運営からの排出量を限りになくゼロに近づける。次に、カナダ、UAE、英国、アイルランド、日本、ドイツ等が主導した「セメント・ブレークスルー」。2030年までに世界のすべての地域で排出量ゼロに近いセメント生産を確立する。
また、UAEとローランド・ベルガーが主導した廃棄物セクターをカーボンニュートラル化する「Waste to Zero」。廃棄物の資源に転換する。グローバル・メタン・ハブ、グーグル財団、ロッキーマウンテン研究所、クリーン・エア・タスクフォース(CATF)、オランダ宇宙研究所(SRON)等は、廃棄物からのメタン排出を追跡・測定するために衛星モニタリングを利用する世界初のプラットフォーム「Waste MAP」の開発を発表した。1億人以上が住む世界の20のメガシティで稼動する予定。
気候変動に関する地方自治体ネットワークのC40は、コンパクトシティ・コンセプト「15分都市(15-minute City)」を40以上の都市でパイロット・プロジェクトを立ち上げていることを発表。また、15分都市が排出量削減に寄与するインパクトを可視化したツールもノボノルディスクと共同開発した。
地方自治体での気候変動アクションでは、CDP-ICLEIの報告プラットフォームに、86カ国636都市が回答。合計で2,346の気候関連インフラプロジェクトが予定されており、プロジェクト資金は1,460億米ドル。そのうち650億米ドルの資金を外部から求めていることがわかった。多くの自治体は気候変動緩和でのアクションを進めている。
【参照ページ】COP28 announces new partnerships and initiatives to advance sustainable urban development
【参照ページ】COALITION FOR HIGH AMBITION MULTILEVEL PARTNERSHIPS (CHAMP) FOR CLIMATE ACTION
【参照ページ】Golden opportunity for city climate finance to be turbocharged across globe
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