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【日本】AIGCC、日本向け「グリーンウォッシュと回避策」ガイド発行。企業も参照すべき

 アジア機関投資家の気候変動イニシアチブAIGCCは10月4日、日本市場で事業を営む銀行や機関投資家向けのガイド「グリーンウォッシュと回避策」を発行した。

 同ガイドでは、グリーンウォッシュ・リスクを自主的に回避するための推奨事項として、「自社でのグリーン性の精査」「透明性確保」「有言実行」「グリーン性のダイナミズムに即した定期的モニタリング」「法的義務と受託者責任の把握」の5つの柱を掲げた。同ガイドでは5つ各々について対策内容を詳述している。

 国際的なグリーンウォッシュ規制については、「開示・報告」「気候タクソノミー」「商品・ファンド表示」「グリーン格付要件」「ネットゼロ・インテグリティ」の5つの種類があると解説。このうち、日本では、政府としてはタクソノミーを導入しない模様だが、経済産業省と国土交通省が策定したカーボンニュートラルに向けた産業分野別技術ロードマップが、実質的なタクソノミーとしてみなされているという。

 トランジションファイナンスについても、グリーンウォッシュのリスクが潜んでいると解説。具体的に3つの事例を紹介した。まず、トランジションファイナンスが実証されていない「低排出」技術の開発に提供されているが、実際にはそれらの技術により二酸化炭素炭素のロック・インが促進されている場合。次に、トランジションファイナンスが、パリ協定に準拠したセクター別移行経路に沿っていない目的や「通常業務」と表現できる方法で資金を使用する事業体に提供されている場合。3つ目は、トランジションファイナンスが信頼できる移行目的に使用されているものの、資金調達企業全体の移行戦略がパリ協定の気温目標に沿うような十分なスピードで実施されず、十分に広範な製品ラインに渡って採用されていない場合。

 トランジションファイナンスでのグリーンウォッシュを防ぐための手段としては、IEAロードマップ等の国際的に認められたセクター別の移行経路や、「非国家主体によるネットゼロ排出コミットメント」に関する国連ハイレベル専門家グループによる報告書等のトランジション計画基準を参照することを推奨。また、日本では第三者評価機関のナレッジも成熟していないことから、セカンドオピニオンのみに依存せず、投資家と金融機関は内部で気候変動ファイナンスの専門知識を維持することを促した。

 新たな動きとしては、まず、「関連付けによるグリーンウォッシュ」では、投資先企業のグリーンウォッシュに依拠して企業をグリーンポートフォリオに組み入れ、そのポートフォリオがグリーンであると表示する仲介業者や運用会社は、誤認を招くようなグリーン表示をしたとして責任を問われる可能性があるとした。同様に、ネットゼロ・アライアンスに加盟しているにもかかわらずコミットメントを履行していない企業への投資も同様のリスクがあるとした。

 「オフセットによるグリーンウォッシュ」では、企業が金融商品をグリーン商品として販売しているものの、その裏付けとなるのは自主的なカーボン・クレジットの購入であり、異論が強まっている「オフセット」に全面的に又は相当程度依存している場合がある場合も、ウォッシュリスクとみなされるケースがでてきていることを紹介した。

 また、NGO等ではなく、競合他社によりグリーンウォッシュによる苦情申し立てが増えてくることや、グリーンウォッシュを恐れて企業が開示を控える「グリーン・ハッシング(沈黙)」リスクについても触れた。

【参照ページ】New Japan edition of “Greenwashing and how to avoid it: An introductory guide for Asia’s finance industry” released

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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