米環境保護庁(EPA)は8月26日、バイデン政権の指示に基づき、PFAS(パーフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物)の一種であるパーフルオロオクタン酸(PFOA)とパーフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)を包括的環境対処・補償・責任法(CERCLA)の規制物質に指定する方針を発表した。近々、パブリックコメントの募集を開始する。
【参考】【アメリカ】バイデン大統領、PFAS規制強化を連邦政府機関に指示。包括的な大規模検査へ(2021年10月19日)
【参考】【環境】化学物質PFASとは何か? 〜マクドナルドやアマゾンが使用禁止を決めた背景やPFOAとの違い〜(2021年1月17日)
【参考】【アメリカ】カリフォルニア州、食品包装でPFAS使用禁止。調理器具での有害物質の開示義務も(2021年9月13日)
【参考】【アメリカ】カリフォルニア州、サーキュラーエコノミー化を大幅強化する一連の州法が成立(2021年10月10日)
新規制では、PFOA及びPFOSを大量に製造し環境中に放出した製造者責任を追及することに重点を置く。具体的には、PFOA及びPFOSを取り扱う施設による廃棄物管理および処理方法の改善を促す。さらに、閾値を超えるPFOA及びPFOSの放出は、EPAの国家対応センター、州または先住民族自治区の緊急対応委員会、さらに市郡または部族地域の緊急計画委員会に報告することが義務化される。汚染時には、製造者責任として製造者が浄化費用を負担する。
さらに、EPAの行政裁量等を活用し、汚染の影響を受けた可能性のある未成年者に対する支援措置も整備。さらに、本規則案の検討期間中に、新規制の影響を受ける地域社会、排水事業者、企業、農家からも積極的に声を収集する。
EPAは、今回の新規制は、PFAS規制の第1弾と位置づけ、今後、PFOAとPFOS以外のPFASに関しても、CERCLA有害物質として指定することの是非を問うパブリックコメントを募集する考え。PFASは、食品包装紙、調理器具(テフロン加工等)、アパレル、消火剤等で幅広く使用されている。
PFAS規制は、EUでも強化が進められており、PFOAの規制基準値が発表されたばかり。
【参考】【EU】EU理事会と欧州議会、POPs規制強化の基準値で政治合意。PFOA、PFHxS、dl-PCBs等(2022年6月24日)
【参照ページ】EPA Proposes Designating Certain PFAS Chemicals as Hazardous Substances Under Superfund to Protect People’s Health
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