消費者庁は1月20日、大幸薬品に対し、ウィルス除去商品「クレベリン」の携帯用ペンタイプ、スプレータイプの商品について、景品表示法違反として行政処分を発表。表示を変更するよう命ずる措置命令を発出した。二酸化塩素を噴霧することで、身の回りの空間に浮遊するウイルス又は菌を除去または除菌する効果には合理的な根拠がないと判断した。同社は不服とし提訴する考え。
当該案件は、新型コロナウイルス・パンデミックにより、除菌需要が高まり、携帯用の商品が多く上市されたことが関係している。消費者庁は2020年5月、「携帯型の空間除菌用品については、「身につけるだけで空間除菌」等の表示が行われていることがありますが、当該表示の根拠とされる資料は、狭い密閉空間での実験結果に関する資料であることがほとんどであり、風通しのある場所等で使用する際には、表示どおりの効果が得られない可能性があ」るとし、5事業者に対し、表示を適切に行うことを求める行政指導を出していた。
これに対し、大幸薬品は2021年11月、今回の消費者庁の措置命令案に関する弁明の場で、不服を伝えるとともに、同12月、措置命令の差止訴訟を提起するとともに、仮の差止め申立を実施。その後、消費者庁は、別の事業者である大木製薬とCLO2 Labに対し、先行して措置命令を出している。そのうち、CLO2 Labは12月27日、措置命令に従うと表明。一方、大木製薬は、「法的措置を講じることも視野に入れて、慎重に対応を検討」と発表していた。
大幸薬品の仮差止め請求に対し、東京地方裁判所は2022年1月12日、携帯用ではなく置型商品の「クレベリン置き型」に関しては、合理的根拠を認め、措置命令の仮差止めを決定。一方、焦点となっていた置き型以外の4商品(スティックペンタイプ、スティックフックタイプ、スプレー、ミニスプレー)に対しては、仮差止め請求を棄却した。同社は不服とし、東京高等裁判所に即時抗告している。
消費者庁は今回、東京高等裁判所での判決を待つことなく、措置命令に踏み切った。同対応は異例。
【参照ページ】大幸薬品株式会社に対する景品表示法に基づく措置命令について
【参照ページ】携帯型の空間除菌用品の販売事業者5社に対する行政指導について
【参照ページ】「クレベリン置き型」に関する仮の差止めの申立てにおける勝訴と本日の措置命令について
【参照ページ】二酸化塩素による空間除菌を標ぼうする商品の製造販売業者2社に対する景品表示法に基づく措置命令について
【参照ページ】当社広告表示に関する消費者庁からの措置命令に対するお詫びと今後の対応に関しまして
【参照ページ】消費者庁による措置命令に関するお知らせ
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