アサヒグループホールディングスの独立研究子会社アサヒクオリティーアンドイノベーションズは12月23日、2020年1月から茨城県のアサヒグループ研究開発センターに「CO2分離回収試験装置」を導入する実証試験を開始すると発表した。装置は、東芝エネルギーシステムズ製。
東芝エネルギーシステムズの「CO2分離回収試験装置」は、アミン系を用いている。アミンは、低温で二酸化炭素を吸収する特性があり、これを活用したもの。アミン系吸収液が吸収した二酸化炭素は気体から液体に変わるが、高温にすると同じくアミン系吸収液の特性で、二酸化炭素が液体から気体に変わるため、ここで二酸化炭素を回収する。高温にするためには、熱エネルギーが必要となるため、同手法ではリボイラーという熱交換器を介して蒸気から吸収液に熱伝達を行う。
東芝エネルギーシステムズによると、アミン系吸収液を用いた化学吸収法では、吸収過程で大気へ排出される二酸化炭素回収後のガスに吸収液由来の微量のアミン成分が含まれ、これが環境に影響を与える可能性があるという。同社は、この有害性の低減も進めている。
アサヒクオリティーアンドイノベーションズは、「CO2分離回収試験装置」を活用し、約1年半の期間、工場ボイラーから出る排出ガスからの二酸化炭素回収性能、コスト採算性等を検討する。さらに回収したCO2を酒類・飲料の炭素素材として活用できないかも検討する。
アサヒグループは2019年2月、「アサヒグループ環境ビジョン2050」を策定。その中で、2050年に二酸化炭素排出量排出量をゼロ(カーボンニュートラル)にする目標を掲げている。2030年の削減目標は2015年比30%減。
【参照ページ】アサヒグループ研究開発センターに「CO2分離回収試験装置」を導入
【参照ページ】様々な排ガス源に対応可能なCO2分離回収技術
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