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【日本】35歳の裾野市長、SDCC構想を終了。トヨタ自動車のウーブン・シティにも影響か

 裾野市の村田悠市長は9月2日、トヨタ自動車が同市に建設している次世代技術実験都市「ウーブン・シティ」と連携した市独自のまづくり構想「スソノ・デジタル・クリエイティブ・シティ(SDCC構想)」を終了すると発表した。

 SDCC構想は、豊田通商出身の高村謙二・前市長の肝入り政策だった。高村謙二は2014年に市長選で当選。その後、2018年にトヨタ自動車の東日本東富士工場の撤退を発表。トヨタ自動車との協議を重ね、創出されたのが「ウーブン・シティ」であり「SDCC構想」だった。SDCC構想では、「デジタル」と「クリエイティブ」を柱とし、IoT、AI、ロボット、自動運転等の技術をまちづくりの基盤に据える理想を描いていた。

 SDCC構想では、トヨタ自動車や東京大学生産技術研究所がアドバイザーを務め、産学87団体が参画。43の実証事業も始まり、当初は約15年の長期構想として運営されていた。

 しかし、1月の市長選挙で、自民党や連合静岡等の推薦を受けながら無所属で出馬した高村謙二・市長(当時)は、草の根運動で票を伸ばした無所属新人の村田悠・元市議会議員に破れ、市長が交代。57歳の市長から34歳の市長へと大幅に若返った。しかし、今回村田市長は同日、市議会での答弁で「まだまだ浸透していない用語が多く、市民には分かりにくい内容だった。今後はSDCC構想にとらわれず、その時々に合った方法で足元の課題を解決していく」と説明した。

 市のホームページでも同日、「『スマートシティの実現』を目的にICT技術の実証を進めることは、先進的である反面、市民生活に直接わかりやすい形で伝えることが難しい専門的なカタカナ用語が多く、市民生活に寄り添った取り組みでないことが指摘される場面がありました」「SDCC構想策定当時と市の置かれる状況が大きく変化(スーパーシティ構想、コロナ前後の状況変化)し、加えてSDCC構想による近隣市町と比較した優位性が薄れてきたこと(自治体DX推進計画等)から、SDCCコンソーシアム会員各位へSDCC構想を具現化する取り組みの継続を説明することが難しい状況となりました」「現時点で裾野市がスーパーシティ・スマートシティをダイレクトに目指すものではないことと、SDCC構想・SDCCコンソーシアムの取り組みによる実証・実装については2年で一定の成果を見た」と言及。SDCC構想の終了を宣言した。

 トヨタ自動車は、今回の件についてまだコメントしていない。ウーブン・シティとSDCC構想は別のプロジェクトだが、所在地となる裾野市からの積極的な支援が得られなくなり、ウーブン・シティの雲行きも怪しくなってきた。

【参照ページ】SDCC構想の終了について

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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