パナソニックホールディングス傘下のパナソニックとマレーシア日本国際工科院(MJIIT)は10月10日、共同研究によりナノイー(帯電微粒子水)技術が、東南アジアで深刻化する煙害(ヘイズ)のPM2.5に含まれる多環芳香族炭化水素(PAHs)の成分を最大95%抑制することを確認したと発表した。
世界人口の99%は世界保健機関(WHO)の大気質ガイドラインレベルを満たしていない地域に住んでおり、大気汚染による健康への悪影響が問題になっている。東南アジア各国では、スマトラ島などでの大規模な焼畑や森林火災により生じた大量の煙による煙害(ヘイズ)対策が急務。ヘイズに含まれるPAHsには、肺機能の低下、喘息の悪化、心血管疾患、がんの発生率を増加させるものもある等、危険性を示唆する研究結果が多く報告されている。またPAHsは分解されにくく、風にのって拡散しやすく、農作物へ生体濃縮することが報告されている。
同研究では、すでにナノイー(帯電微粒子水)技術がベンゾ(a)ピレン、ベンズ(a)アントラセン、ベンゾ(b)フルオランテン、インデノ(1、2、3-cd)ピレン、ジベンゾ(a、h)アントラセンの5種類のPAHsに対し抑制効果があることを検証済み。今回新たにナフタレン、フルオレン、アセナフテンの3種のPAHsについても効果を検証した。
試験条件は、45Lチャンバー内に、溶媒に溶かしたPAHsが入ったシャーレを置き、シャーレから10cmの位置でナノイー(帯電微粒子水)を1時間照射。その後、PAHsを回収し、ガスクロマトグラフィー質量分析(GC-MS)を実施し、スペクトルのピーク面積からPAHs残存濃度を算出した。
【参照ページ】東南アジアの大気汚染「ヘイズ」に含まれる有害物質をナノイー(帯電微粒子水)技術で抑制
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