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【国際】インテル、気候移行計画発表。カーボンニュートラル実現の具体ロードマップ明示

 半導体世界大手米インテルは11月14日、気候変動に関する移行計画(トランジションプラン)として「気候トランジション・アクション・プラン」を発表した。具体的な道筋を示した。

 同社は2022年、スコープ1とスコープ2で2040年カーボンニュートラル(二酸化炭素ネット排出量ゼロ)、スコープ3でも2030年30%削減を目標として発表。2023年には、スコープ3のうち上流でも2050年カーボンニュートラル目標にコミットした。今回発表の気候トランジション・アクション・プランは、カーボンニュートラル目標の達成に向けたロードマップ。

【参考】【アメリカ】インテル、2040年カーボンニュートラル宣言。素材転換や製品大規模省エネも(2022年4月14日)

 同計画では、オペレーション、サプライチェーン、製品で目標の内訳を明示した。

オペレーション

  • 2030年までにスコープ1とスコープ2の二酸化炭素排出量を総量で2019年比10%削減
  • 2040年までにスコープ1とスコープ2のカーボンニュートラル達成
  • 2030年までに100%再生可能エネルギー転換
  • 2030年までに累積で40億kWhの省エネ化
  • 2030年までにLEED認証取得の新たな工場と施設の建設
  • 2030年までに排出原単位の小さい化学物質の特定と、新たな削減装置を開発するための業界横断的イニシアチブの展開

サプライチェーン

  • 2030年までにスコープ3の二酸化炭素排出量を、ベースライン比30%削減
  • 2050年までにスコープ3のうち上流でのカーボンニュートラル達成

製品

  • 2030年までにPCおよびサーバー向けマイクロプロセッサー製品のエネルギー効率を10倍に高め、スコープ3排出量を削減
  • 2030年までに将来のクライアント・フォームファクター向けプラットフォーム・リファレンスデザインの二酸化炭素排出量を30%以上削減

 またスコープ1からスコープ3の二酸化炭素排出量削減については、2020年から2030年、2031年から2040年、2041年から2050年の大きく3パートに分けロードマップを明示。

2020年から2030年

 スコープ1のうち製造プロセスでは、他社との協働による高い破壊除去効率(DRE)と燃焼排出量の少ない新たな排ガス処理技術の開発、Fガスと一酸化二窒素のための新たな除害技術の新工場への導入、ツール最適化によるプロセス化学物質の使用量削減、Fガスと一酸化二窒素の代替プロセス化学物質の特定、代替可能な場合の代替を進める。

 化石燃料では、新規オフィス・工場への電気設備導入、プロセスツールや設備機器の省エネ性能化プロジェクトを実施する。

 その他では、二酸化炭素排出量を削減するための施設システムの再構成、実行可能な場合にGWP(地球温暖化係数)が低いまたはゼロの冷媒への転換、社用車およびリース車両の電気自動車(EV)転換を行う。

 スコープ2では、世界全体で自社事業で100%再生可能エネルギー転換、プロセスツールや設備機器の省エネ性能化プロジェクトの実施、LEED認証取得の新たな工場と施設の建設を行う。

 スコープ3上流では、半導体バリューチェーン・パートナーシップ・プログラム「Catalyze」を通じたサプライヤーの100%再生可能エネルギー転換支援、「半導体気候コンソーシアム(SCC)」を通じた半導体業界の二酸化炭素排出量の削減アクションの支援、自社サプライヤーに対し、100%再生可能エネルギー転換とカーボンニュートラル目標の設定要請、目標達成に向けたロードマップ作成、使用済み化学物質の再利用を実施する。

【参考】【国際】シュナイダーエレ、半導体バリューチェーンの再エネ転換プログラム発足。インテル等加盟(2023年7月18日)
【参考】【国際】半導体関連企業65社、半導体気候コンソーシアム創設。スコープ3開示やカーボンニュートラル(2022年11月9日)

 スコープ3下流では、将来のクライアント・フォームファクター向けプラットフォーム・リファレンスデザインの二酸化炭素排出量を30%以上削減、2030年までにPCおよびサーバー向けマイクロプロセッサー製品のエネルギー効率を10倍に高め、スコープ3排出量を削減、スマートグリッド技術ソリューション提供による再生可能エネルギー転換を実現する。

2031年から2040年

 スコープ1では、実行可能な場合には、Fガスと一酸化二窒素の代替プロセス化学、従来工場に新たな二酸化炭素削減技術の導入、省エネ、電化、その他のエネルギー源が利用できない場合、再生可能な天然ガスの導入に関する調査の実施、実行可能な場合は、従来の天然ガス燃焼設備の改修を行い、カーボンニュートラルを達成する。

 スコープ2では、再生可能エネルギー100%を維持。

 スコープ3上流では、半導体気候コンソーシアム(SCC)やサプライヤーエンゲージメントを通じ、業界全体での二酸化炭素排出量削減の支援、サプライヤーの再生可能エネルギー転換とカーボンニュートラル目標に対する進捗状況モニタリングを行う。

 スコープ3下流では、インテル・マイクロプロセッサー製品のエネルギー効率を継続向上させ、スコープ3排出量を削減、再生可能エネルギー電力の転換を継続支援する。

2041年から2050年

 スコープ1とスコープ2では、引き続きカーボンニュートラルを維持し、100%再生可能エネルギー使用も継続。スコープ3上流でもカーボンニュートラルを達成する。

 スコープ3下流では、インテル・マイクロプロセッサー製品のエネルギー効率を継続向上させ、スコープ3排出量を削減、再生可能エネルギー電力の転換を継続支援する。

【参照ページ】Intel Publishes Climate Transition Action Plan
【参照ページ】Intel Climate Transition Action Plan
【画像】Intel

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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