農薬・化学肥料世界大手米コルテバ・アグリサイエンスは9月13日、土壌中の有益な生物の健全なバランスを崩さず、植物寄生性線虫の被害から守る活性レクレメルを有する新たな殺線虫剤「Salibro」を販売したと発表した。
植物寄生性線虫は、土壌中に生息し、植物の根を食害する微細な生物。農家では特定、防除が困難なため、被害総額は年間800億米ドル(約12兆円)以上と推定され、世界的な食糧安全保障上の課題となっている。
米環境保護庁(EPA)は目下、絶滅危惧種保護法(ESA)に基づき、生物多様性観点から除草剤の使用制限を強化する動きにでている。同社が開発した活性レクレメルは、従来の殺線虫剤よりも少ない使用量で植物寄生性線虫を選択的に殺虫でき、代替品比で環境および毒性学的特性が優れており、EPAから「低減リスク」の指定も受けた。また、EPAが絶滅危惧種保護法(ESA)評価強化を発表した後に登録された最初の新規農薬のひとつにもなっている。
【参考】【アメリカ】EPA、農業用除草剤の規制強化へ。生物多様性影響緩和。パブコメ募集(2023年8月9日)
さらに、活性レクレメルは、今後5年間で二酸化炭素排出量を50万t以上削減できる可能性があるとし、全米製造業者協会から「サステナビリティ・サーキュラーエコノミー賞」も受賞している。
Salibroは現在、すでにカナダとオーストラリアで販売。2023年後半から米国、インド、メキシコにも展開する。規制当局の承認が得られれば、EUを含む世界各国にも展開する予定。
【参照ページ】Corteva Launches Breakthrough Innovation to Control Crop-damaging Nematodes, Protect Soil Health
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