気候変動分野の機関投資家イニシアチブ「Climate Action 100+」は7月3日、二酸化炭素排出量削減を求めていく対象企業を61社増やした。Climate Action 100+は2017年12月12日、二酸化炭素排出量の多い世界の企業約100社の具体名を発表し、同イニシアチブに参加する機関投資家で集団的エンゲージメントを開始。今回、その他、パリ協定達成に向け戦略的に重要性の高い企業61社を新たに集団的エンゲージメント対象に選んだ。
【参考】【国際】投資家大手225機関、世界大手約100社に気候変動情報開示を要求。日本企業も10社(2017年12月14日)
Climate Action 100+は、国連責任投資原則(PRI)と、気候変動対応を企業に求める4つの世界機関投資家団体である欧州のIIGCC(Institutional Investors Group on Climate Change)、米国のINCR(Investor Network on Climate Risk)を運営するCeres、オーストラリア・ニュージランドのIGCC(Investors Group on Climate Change)、アジアのAIGCC(Asia Investor Group on Climate Change)が2017年9月28日に発足。現在、機関投資家225機関が参加しており、運用資産総額は26.3兆米ドル(約3,000兆円)に上る。
今回追加された61社は、機関投資家にとっての主要投資銘柄のうち、気候変動からの機会やリスクが大きいと思われている、または物理的リスク等の気候関連財務リスクが高いと判断された企業。そのため、選定されたことは必ずしもネガティブではなく、新たな事業機会を獲得できると期待さている企業も含まれている。選ばれた企業には、先進国、新興国双方の電力、エネルギー、航空、鉄鋼、化学、自動車企業が多い。
- Adelaide Brighton
- AGLエナジー
- エールフランス‐KLM
- アメリカン航空グループ
- Antam(アンタム)
- BMW
- ブルースコープ・スチール
- Boral
- Bumi Resources
- バンジ
- セメックス(CEMEX)
- CEZグループ
- 中国鋼鉄
- コルゲート・パーモリーブ
- サンゴバン
- CRH
- ダイムラー
- Dangote Cement
- ダノン
- デルタ航空
- デボン・エネルギー
- ドミニオン・パワー
- Enbridge
- Eskom(南アフリカ電力公社)
- フィブリア
- ファーストエナジー
- フォータム
- ハイデルベルグセメント
- イベルドローラ
- キンダー・モルガン
- エア・リキード
- ナショナル・グリッド
- ネクステラ・エナジー
- NRGエナジー
- オクシデンタル・ペトロリウム
- Origin Energy
- プジョー
- PGE
- 電能実業(Power Assets Holdings)
- PPL
- カンタス航空
- ルノー
- RWE
- Santos
- セヴェルスターリ
- South32
- スウェーデンスティール(SSAB)
- スコティッシュ・アンド・サザン・エナジー(SSE)
- AES
- コカ・コーラ・カンパニー
- トランスカナダ
- ユニリーバ
- ユナイテッド・コンチネンタル・ホールディングス
- ユナイテッド・トラクターズ
- Vistra Energy
- ウォルマート
- WECエナジーグループ
- ウェアーハウザー
- ウッドサイド・ペトロリアム
- ウールワース
- エクセル・エナジー
2017年12月に選定された約100社とのエンゲージメント結果では、約18%の企業が気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)ガイドラインに沿った情報開示を行うと宣言。Climate Action 100+発足当初から3倍に増えた。また22%の企業は、科学的根拠に基づく排出削減目標(SBT)を2030年以降についても立てている。Climate Action 100+は、毎年、対象企業の進捗状況をモニタリングし、調査結果報告書を公表していく考え。また、十分に対策が進んでいると判断された企業は、対象企業から外れる。
【参照ページ】Climate Action 100
Sustainable Japanの特長
Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。
- 時価総額上位100社の96%が登録済
- 業界第一人者が編集長
- 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
- 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく ログインする※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら