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【アメリカ】CBI、水インフラ事業向け債券「ウォーターボンド」のガイドライン発表

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 グリーンボンドのガイドライン作成を進めるNGOのCBI(気候債券イニシアチブ)は10月14日、水関連事業を支援する「ウォーターボンド」の新ガイドライン「Water Climate Bonds Criteria」を発表した。CBIはこれまで、グリーンボンドの分野の世界的なデファクト・ガイドラインとなっている国際資本市場協会(ICMA)の「グリーンボンド原則(GBP)」をもとに、投資家や政府が低炭素投資を行う際のスクリーニングツールとして活用できる「Climate Bond Standard(CBS)」を提供してきた。今回の「Water Climate Bonds Criteria」は、グリーンボンドの中でも水分野の「ウォーターボンド」に特化したガイドラインで、今後は「Climate Bond Standard(CBS)」の一部として運用される。

 世界的な人口増加と経済発展による水需要の増大と気候変動による水リスクの顕在化で、持続可能な水の開発に注目が集まっている。水インフラのニーズは巨大で、米国水道協会(AWWA)によると米国の飲料水設備の修繕・拡張コストは今後25年間で1兆米ドルに達すると試算されている。これらの事業計画にはエネルギー・工業用水の節水、再利用、貯水地および河川や水路の流域復旧、大規模上水道など多様なインフラ開発が含まれる。CBIは、投資家や発行体が適切にこの水の分野での投資管理ができるよう今回のガイドラインの開発に至った。

 今回発表された「Water Climate Bonds Criteria」の開発に当っては、CBIの他、サステナビリティ分野のアドボカシーNGOのCeres、ストックホルム国際水研究所が支援するAlliance for Global Water Adaptation(AGWA)、気候変動に関する情報開示を推進するNGOのCDP、世界資源研究所(WRI)、水分野の専門家やNGO代表者、関係機関で構成される技術ワーキング・グループ(TWG)が参加した。これらの機関が共同開発した「Water Climate Bonds Criteria」のガイドライン案は、CBIの機関内ガバナンス組織である「Climate Bond Standards Advisory Board(気候変動債券基準諮問理事会)」によって承認され、今回の発表に漕ぎつけた。同諮問理事会は、カリフォルニア州教職員退職年金基金(CalSTRS)、カリフォルニア州財務官、CDP、欧州投資家グループのIIGCC(気候変動に関する機関投資家グループ)、国際協同組合保険連合(ICMIF)、オーストラリア・ニュージーランの投資家グループのIGCC(気候変動に関する投資家グループ)、Ceresが音頭を取るInvestor Network on Climate Risk(INCR)、国際環境NGOの天然資源防護協議会(NRDC)の8者で構成されている。

 今回発表されたガイドラインで定義される水インフラとは、取水、貯水、導水、浄水、送水、配水、排水、洪水防止、干ばつへの対応(レジリエンス)に関するインフラ全般を指し、概念は非常に広範囲に及ぶ。ガイドラインでは、これらの水インフラを、人工インフラ(Engineered Water System)、自然インフラ(Natural Water System)、人工・自然複合型インフラ(Hybrid)の3種に分け、人工インフラをフェーズ1、自然インフラ及び人工・自然複合型インフラをフェーズ2とし、まずフェーズ1のガイドラインを発表した。またガイドラインの内容としては、水関連事業プロジェクトやインフラ資産について、過去、現在、未来の気候変動リスクの観点からプロジェクトや資産の脆弱性アセスメントを実施した上で、適切な気候変動抑止計画または気候変動適応計画が備えられているかをチェックするというものとなっている。フェーズ2のガイドラインは現在もまだ作成段階にあり、発表時期は未定。

【参照リリース】Climate Standards Board Approves New Standard for Climate-Resilient Water Bonds

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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