コロンビアは、WEC(World Energy Council:世界エネルギー会議)が毎年発表しているエネルギー開発に関するグローバルランキング”Energy Sustainability Index(エネルギー・サステナビリティ・インデックス)”において、2013年の24位から8位上昇し、16位となった。
WECは、エネルギーの利用可能性を促進するための国際的なネットワーク組織で、国連に認定された90カ国以上からの政府関係者・企業・大学・専門組織がメンバーとなっている。このランキングは、エネルギー供給における安全保障、エネルギーへのアクセス、環境サステナビリティの3本の柱から構成されており、129カ国のパフォーマンス測定をもとにしている。
コロンビアは、昨年のランキングにおいて「エネルギーへのアクセス」では85位にとどまっていたものの、「エネルギー安全保障」では5位、「環境サステナビリティ」では4位と高い評価を獲得しており、総合ランキングでも24位に位置していた。今年は「エネルギーへのアクセス」が85位から65位に大幅に改善し、他2つの指標でもランキングを維持したことで、総合ランキングを16位まで押し上げた。国内で産出される石油の多くが輸出に回ってしまう同国では、富裕層にしかガソリンが届かない状態だ。そのような中での今回の躍進の背景には、政府主導でガソリン価格を抑え国民へのアクセシビリティを高めたことがある。
WECのCEOを務めるJoan MacNaughton氏は、同ランキングが各国の持続可能なエネルギー政策を定義する重要なツールとなることを強調した上で「コロンビアは入念な政策立案と実行により今回の結果を得た」と評価した。
Condensa社の社長かつコロンビアのWECメンバーでもあるJose Antonio Vargas氏は、同国が克服しなければならない課題として、コロンビアではまだ40万の家庭がエネルギー源にアクセスできずにいることも指摘した。鉱山エネルギー大臣のTomas Gonzalez氏もまた、「我々は、同国のすべての家庭がエネルギーへのアクセスを確実に手にし、生活の質を改善し、発展の機会を増やすよう継続していきたい」と述べ、今回のランキング結果は同国にとって喜ばしいことであり、クリーンで安全なエネルギーシステムを追求し続けた結果であるとコメントを伝えた。
先進国ではエネルギーの効率や環境改善が課題視されている一方、途上国ではエネルギーへのアクセスそのものに対する改善が依然として望まれている。エネルギーのアクセスが拡大することは、より多くのエネルギーを消費することにもつながるため、WECではアクセス可能性とともに安全保障と環境にもバランスをとった評価手法を取り入れている。
WECのMacNaughton CEOが伝えているように、同ランキングがバランス感のあるエネルギー利用の拡大において、規範的な役割を果たしてきている。コロンビアが世界的な開発枠組みの中で、改善項目を定め実施してきていることは、エネルギー開発において朗報と言える。
【参考サイト】Energy Sustainability Index 2013
【団体サイト】World Energy Council
(※写真提供:De Jongh Photography / Shutterstock.com)
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