金融世界大手英HSBCは11月23日、国連持続可能な開発目標(SDGs)に基づく新たなサステナビリティボンドを10億米ドル(約1,100億円)発行した。満期は2023年。使途はSDGsのうち同社が設定した7つのゴールの分野への投融資。セカンドオピニオンはサステイナリティクス(Sustainalytics)。
HSBCが使途として設定したSDGsゴールは、
- 目標3:すべての人に健康と福祉を
- 目標4:質の高い教育をみんなに
- 目標6:安全な水とトイレを世界中に
- 目標7:エネルギーをみんなにそしてクリーンに
- 目標9:働きがいも経済成長も
- 目標11:住み続けられる街づくりを
- 目標13:気候変動に具体的な対策を
HSBCはそれぞれ7分野について使途として認める細かい基準を設定している。また原子力発電、武器、アルコール、ギャンブル、アダルト、パーム油については使途から除外することを明確にした。
サステナビリティボンドの使途や発行基準は国際的に定められてはいない。しかし、グリーンボンドとソーシャルボンドについては、国際資本市場協会(ICMA)がグリーンボンド原則(GBP)とソーシャルボンド原則(SBP)を策定しており、今回のサステナビリティボンドはそれを援用する。セカンドオピニオンを担うサステイナリティクスは、GBPとSBPを基に、HSBCのサステナビリティボンドの適格性を判断した。HSBCは、毎年サステナビリティボンドの使途進捗を報告し、各投融資プロジェクトのインパクトについても精査していく予定。
HSBCによると、世界の投資家の68%が低炭素社会関連の投資先を求めており、需要は高い。実際に、今回売り出された10億米ドルのサステナビリティボンドには3倍もの応募があり、関心の高さが伺える。サステナビリティボンド発行は、気候変動枠組み条約ボン会議(COP23)のタイミングに合わせて発表された。地域別の購入者は、北米80%、アジア10%、欧州9%。
【参照ページ】HSBC issues world's first corporate sustainable development bond
【フレームワーク】HSBC’s SDG Bond Framework
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