大成建設は12月15日、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)モデルを活用することで、建築物新築時の設計段階に建築物に使用する建材や設備等の製造・調達及び施工時の二酸化炭素排出量を短時間かつ高精度に算出できる予測システム「T-CARBON BIMシミュレーター」を開発したと発表した。
同社は今回、建設・不動産分野では建築物新築時の調達・施工・解体等で排出される二酸化炭素排出量「エンボディド・エミッション」の削減が求められていると認識。そのうち、調達・施工時の排出量「アップフロント・カーボン」を把握するには、建築物に使用する建材毎の排出量を、建材それぞれの使用数量を基に算出する必要があるが、建材の種類が多岐にわたることから、多大な時間と労力を要するとし、現状課題を説明した。
【参考】【国際】CBI、建築物基準2.1版発行。エンボディド・エミッションも対象。グリーンボンド(2024年1月4日)
今回開発した「T-CARBON BIMシミュレーター」は、BIMから算出した建材の種類や壁・扉の枚数等の詳細な数量データと、アップフロントカーボンを正確に予測する既存の同社独自開発システム「T-CARBON Navios」とを連携。建材毎の排出量を短時間でより高精度に予測できるようにした。設計時に建材毎のシミュレーションができるため、排出量の少ない建材での設計を検討することができる。
同社は今後、建設費の自動積算と連携させ、排出量の増減と建設費を比較検討しながら設計を進めることができるよう、機能改良を進める予定。
【参照ページ】BIMを用いた建築物新築時CO2排出量予測システム「T-CARBON BIMシミュレーター」を開発
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