全米自動車労働組合(UAW)のショーン・フェイン委員長は10月6日、自動車メーカーと従業員との間での労働協約となる「全米基本契約」で、GMがEVバッテリー生産業務を含めると発表した。また、フォードとステランティスとの労使交渉でも大きな進展があったと表明した。これにより、3社に対するストライキの拡大を一旦停止した。
【参考】【アメリカ】全米自動車労組、ストライキ発動権を執行部に付与。賃上げ等要求。EV転換は支持(2023年8月26日)
【参考】【アメリカ】全米自動車労組、ビッグ3で段階的ストライキ突入。史上初。労使交渉決裂(2023年9月15日)
今回の議論の焦点は、GMが進めているEVバッテリー生産事業に関し、GM側が全米基本契約をEVバッテリー業務に適用しないことで、労働条件が悪化することをUAW側が懸念。GMがEVシフトを進める中、従業員たちは、エンジンやトランスミッションの工場からEVバッテリー工場に仕事が移ることが予想される中、労働条件の改悪につながりかねないとし、全米基本契約の対象とするよう求めていた。同様の対応を、フォードとステランティスも応じるよう伝えた。
フェイン委員長は今回、過去3週間で、交渉に大きな進展があったとしている。フォードからは賃上げ比率を当初の9%から23%へと上昇。GMとステランティスも20%に応じたという。
生活費調整(COLA)制度でも、当初反対していたフォードとステランティスは制度復活に合意。GMも「そう遠くはない」とした。
臨時工の賃上げでも、GMとステランティスは時給20米ドル、フォードは時給21米ドルを約束。見習い社員の昇給・昇格スピードでも、従来見習工としての最上位に昇格するのに10年かかっていたが、フォードはUAW側が求めていた3年に短縮。GMとストランティスも4年にまで短縮してきている。
UAWは今回、労働者はストライキによって立ち上がることで、成果を得られると表明。今回も実際にストライキによって多くを勝ち取ってきたとした。
【参照ページ】UAW WINS JUST TRANSITION AT GENERAL MOTORS
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