SOMPOホールディングスは9月23日、損害保険子会社の損害保険ジャパンにおいて、気候変動対策として、日本国内の石炭火力発電所の新規建設に関する損害保険引受・投融資は原則として行わない方針を発表した。但し、高効率の石炭火力発電所については継続する可能性もあるとした。またすでに保険引受・投融資を表明している案件や、海外の案件については継続する。
日本の損害保険大手が、石炭火力発電関連への損害保険引受を制限したのは同社が初。しかし、海外にはすでに17社あり、制限ではなく完全に禁止している企業も少なくなく、日本の損害保険大手の対応の遅れが指摘されていた。
【参考】【国際】Unfriend Coal、保険大手30社の石炭関連ポリシー・ランキング発表。日本損保3社は最下位(2019年12月2日)
一方、今回の方針は、日本国内の低効率の石炭火力発電の新規建設に関する損害保険引受・投融資を原則禁止するというものだが、すでに経済産業省は、国内の低い効率の石炭火力発電を廃止していく意向を表明しており、低効率の石炭火力発電の新設そのものが今後存在しなくなる予定となっている。そのため、SOMPOホールディングスの今回の方針は、今後存在しないであろうものに損害保険引受・投融資を禁止しただけという見方もできる。
【参考】【日本】経産省、低効率石炭火力廃止や輸出厳格化の意向表明。このニュースの読み解き方(2020年7月4日)
また損害保険ジャパンは今回、生物多様性と人権でも、取引先・投資先等へ適切な対応を促す方針を定めた。
SOMPOホールディングスは4月、CSRを担当するグループ最高ブランド責任者(CBO)が議長を務めていた従来のグループCSR推進本部会議を、グループCOOを議長とする「サステナビリティ・CSR協議会」に格上改組したことも明らかにした。だが、グローバル大手企業の中で、サステナビリティの統括会議の議長をCEOが務めないことは珍しい。
【参照ページ】サステナビリティへの取組強化について
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