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【オランダ】ユニリーバ、2030年までに「カーボン・ポジティブ」を実現へ

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 消費財大手のユニリーバは11月27日、同社の気候変動目標として2030年までに「カーボン・ポジティブ」を達成すると発表した。2020年までにエネルギーミックスから石炭を排除し、送電網から購入するエネルギーの全てを再生可能エネルギーに切り替え、2030年までに事業運営を100%再生可能エネルギーで賄うことを目指す。

 さらに、2030年までに自社で使用する以上の再生可能エネルギー創出を直接的に支援し、余剰分については事業を展開する市場や地域に提供することで「カーボン・ポジティブ」の実現を目指す。

 事業成長と共に環境負荷を削減するというコミットメントは同社が5年前に公表したサステナビリティ戦略のUnilever Sustainable Living Plan(ユニリーバ・サステナブル・リビング・プラン)にも記載されているものの、事業運営を100%再生可能エネルギーで賄うという目標に対して具体的な期限を設定したのは今回が初めてとなる。

 ユニリーバは今年の2月、サステナビリティを推進するグローバル企業のCEOらによるイニシアチブ、B Teamの一員として世界のリーダーらに「2050年までにネット・ゼロ・カーボンの実現」を呼びかけるキャンペーンに参加したほか、再生可能エネルギー100%を目指す企業らによるRE100イニシアチブにも名を連ねている。

 また、同社はCDPや国連グローバルコンパクト、WRI(世界資源研究所)、WWF(世界自然保護基金)らとの協働イニシアチブで、科学的根拠に基づくCO2排出削減目標の設定を推進するScience Based Targetsにも参加するなど、気候変動対応の分野において常にリーダーシップを発揮してきた。

 ユニリーバは、今回の新たな目標はあくまで同社のサステナビリティ戦略の一部に過ぎず、今後も引き続きグローバルサプライチェーンにおける森林破壊の撲滅、持続可能な農業の支援、気候変動政策に関するアドボカシー活動、消費者の水・エネルギー使用量削減やリサイクル支援などを通じて事業変革を推進していくとしている。

 今回の目標公表にあたり、ユニリーバのCEOを務めるPaul Polman氏は「パリの気候変動会議(COP21)は絶好の機会だ。しかしそれらは終着点ではなく出発点だ。我々全員が野心を実際の解決策に変えることで今すぐに行動を起こす責任がある。それこそが今日、事業から化石燃料を取り除き、消費する以上の再生可能エネルギーを生み出すことで2030年までにカーボン・ポジティブを実現すると表明し、我々の取り組みをさらに前進させる理由でもある。我々が成し遂げたことを次世代が誇れるようにしようではないか」と語った。

 積極的に気候変動対応に取り組む企業らが「CO2排出を数十%削減」「カーボン・ニュートラルを実現」など次々と野心的な目標を掲げる中、ユニリーバはそれよりも更に高い「カーボン・ポジティブ」を実現するというコミットメントを公表した。同社が自主的に高いコミットメントを掲げる背景には、気候変動への対応はリスク管理であると同時に、コスト削減やエネルギー調達のレジリエンス強化、顧客との関係強化など、様々な利益をもたらす戦略的な機会だという認識がある。常に高い目標を掲げることでイノベーションのきっかけを創り出し、リーダーシップを発揮している同社の姿勢から学ぶべき点は多い。

【参照リリース】Unilever to become ‘carbon positive’ by 2030
【企業サイト】Uniliver
【参考サイト】B Team
【参考サイト】RE100
【参考サイト】Science-Based Targets
【参考サイト】Unilever Sustainable Living Plan

(※写真提供:Casper1774 Studio / Shutterstock.com

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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