女性が活躍できる環境が十分整っていないという問題は日本社会に限った話ではない。IT大手のグーグルも、女性およびマイノリティの従業員数を増やす取り組みを積極的に進めているものの、未だに道のりは長い。グーグルは5月27日、自社の多様性に関するデータを開示した。
グーグルが開示したデータによると、同社の従業員は依然として白人・アジア系の男性が圧倒的多数を占めている。2015年1月時点のデータによると、米国の従業員構成は60%が白人で、31%がアジア系となっており、ヒスパニック系は3%、黒人は2%に過ぎない。また、性別にみてみると、米国従業員全体の70%が男性を占めており、技術職に限っては女性比率が18%となっている。また、管理職を見てみると性別で見ると男性が78%、白人は72%となっており、より偏りは顕著になる。
グーグルが抱える多様性の問題は、グーグルと同様にデータ開示を始めたアップルやフェイスブックといった他のシリコンバレーのIT企業にも見られる。女性やマイノリティの採用率が伸び悩んでいることを受け、大手IT企業各社は着々と女性・黒人・ヒスパニック系の人々向けのIT教育プログラムへの投資やマイノリティの新卒採用を進めている。グーグルは”CS First”という小・中学生向けのコンピューターサイエンスのオンラインコースを無償で展開しており、採用に必要となるスキル育成を進めている。こうした取り組みは実際に自社の多様性に反映されるまでには時間がかかるものの、長期的には大きな効果が期待できる。
米国だけではなく世界中にユーザーを抱えるグーグルなどのIT企業にとって、自社の多様性を高めることは世界中の多様なユーザーに必要なサービスを届ける上で欠かせない競争力となりうる。最近では米国のIT業界でもヤフーのCEOを務めるMarissa Mayer氏、フェイスブックのCOOを務めるSheryl Sandberg氏のようにグーグル出身の女性の華々しい活躍も目立っており、今後の更なる多様性推進に期待がかかる。
【参照サイト】Google Diversity
【企業サイト】Google
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