統合報告の義務化に向けた検討が、世界規模のビジネスコミュニティの中で進んでいる。舞台の中心地は、主要国の首脳が集まるG20サミット。あまり知られていないが、G20サミットでは、2010年のソウルサミット以降、世界の企業経営者が集う会合が開かれている。その名は"B20"。B20は"The Business 20"の略で、G20各国のグローバル企業のトップ142人が集結する。日本からも、日本経団連、三井住友フィナンシャルホールディングス、東芝のトップがメンバーとして選ばれている。
統合報告の義務化に向けた提案がB20に提出されたのは先月。B20から委託を受けていた会計事務所グローバル大手6社(BDO, Deloitte, EY, Grant Thornton, KPMG, PwC)は、世界の持続的発展に関する共同レポート"Unlocking Investment in Infrastructure"を発表し、長期的投資を促進するためにはIIRCが提唱する「統合報告」(<IR>と呼ばれる)が必要だとの見方を示したのだ。背景には、今後新興国での人口増加とともに重要性が増す世界の生活インフラの増強には、長期的視点の投資と事業経営が求められるようになり、統合報告での財務情報と非財務情報を一貫させて投資家に伝えるような努力が欠かせないというわけだ。
レポートでは、G20首脳に対して長期視点での企業報告を推進するように要求するとともに、各国の財務大臣に対して統合報告を推進する上での障害となる法規制を改変するよう要請した。同レポートは、7月16日から18日にかけてシドニーで行われるB20サミットで議論され、今年の11月に開催されるG20サミットでのアジェンダとして組み込むようG20事務局に上げるかどうかを検討される予定だ。
【機関サイト】IIRC
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