ホテル労働者の労働組合Unite Hereは9月2日、全米9都市25ホテルで労働者10,000人以上がストライキに突入したと発表した。ストライキは1日から3日間の予定。日本人客の多いホノルルの有名ホテルでもストライキ対象となっている。
今回ストライキが始まったのは、ボルチモア、ボストン、グリニッジ、ホノルル、カウアイ島、サンディエゴ、サンフランシスコ、サンノゼ、シアトル等のヒルトン、ハイアット、マリオット・グループ。使用者側との労使交渉が難航し、ストライキを開始する判断に至った。ストライキが開始されたホテルの総客室数は23,000を超える。他にも、ニューヘイブン、オークランド、プロビデンスで、ストライキ決行が可決されており、ストライキ開始の準備が整っている。
今回のストライキでは、公平な人員配置と仕事量、新型コロナウイルス・パンデミック期に発動された人員削減の撤回を求めている。労働組合側は、生活賃金が支払われておらず、多くの労働者は2つの仕事を掛け持ちしていると主張。コロナ禍で人員削減の対象となった労働者の救済や、人員削減で仕事量のしわ寄せを受けた現従業員の労働条件改善を要求している。宿泊客に対しても、ストライキ中のホテルで宿泊や食事をしないよう呼びかけている。
同労働組合は、2023年にもロサンゼルスやデトロイトでストライキを決行しており、その際にも労働条件の改善を勝ち取っている。今回も、全米のホテル業界は、過去最高を記録し、2022年に1,000億米ドル以上の売上総利益を上げているが、ホテル人員はコロナ禍で13%削減されたままと主張している。
一方、使用者側の米国ホテル・ロッジング協会(AHLA)は2022年、9月1日を「全米ホテル従業員デー」に制定。2024年8月30日にも、アジア系米国人ホテル経営者協会(AAHOA)、全米黒人ホテル経営者・運営者・開発者協会(NABHOOD)、ラテン系ホテル協会を含むホテル業界の使用者団体が、全米ホテル従業員デーを祝福すると表明していた。
AHLAは、2024年には、全米ホテル労働者200万人の給与や福利厚生の総額は、過去最高の1230億米ドルを超えると予想されると表明。2024年上半期、AHLA加盟ホテルの86%が賃上げを実施しており、ホテル労働者の平均賃金はコロナ禍以降で、26%上昇していると主張している。
【参照ページ】10k+ Hotel Workers Strike on Labor Day; Baltimore Workers Begin Strike
【参照ページ】Hotels to celebrate National Hotel Employee Day
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