欧州委員会は6月8日、組織横断的な「倫理機関」の創設を採択した。今後、欧州議会、EU理事会、欧州司法裁判所(ECJ)、欧州中央銀行(ECB)、欧州監査院、経済社会委員会、地域委員会に送付され、正式創設に向けた協議が始まる。
倫理機関の創設は、フォン・デル・ライエン欧州委員会委員長が2019年の就任時から掲げていた政策。EUの各機関に適用される腐敗・賄賂等の共通下限水準ルールを定め、監督する。
規定するルールには、第三者から提供される贈答品、接待、旅行の受入れ等が対象となり、賞の受賞や賞品の授受にまで適用される予定。また、利害関係者との会合に関する規定は、すでに欧州委員会、欧州議会、EU理事会で設けられており、事前の透明性登録が必要となっているが、新ルールでは、機関の敷地内への立入り等にも拡大適用される予定。
元議員や元公務員の退任後の活動に関する条件や透明性要件も定める。各機関で違反があった場合の処罰に関しても、遵守状況の監視やフォローアップを含む共通枠組みを決める。
倫理機関は、個別事案の調査は行わない。条約上、EUの財務的利益に関わる刑事事件については、欧州検察庁(EPPO)及び各国の警察・司法当局が担当。不正行為や職務上の義務違反については欧州不正対策局(OLAF)が、行政の不正についてはオンブズマンが、各機関の規則違反については各機関が責任を負う。
【参照ページ】EU Ethics Body: Commission proposes the creation of common ethics standards for all EU institutions
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