EU加盟国閣僚級のEU理事会は3月15日、ロシアに対する経済制裁第4弾を決定した。ウクライナに侵攻したロシアの経済にさらに打撃を与えることが狙い。
今回の発表では、まず、EU市場でロシア製品・サービスを世界保健機関(WTO)上の最恵国待遇措置から除外することを決定。すでに他のWTO加盟国も協調することで調整していることも強調した。今後、ベラルーシも同様に除外される可能性がある。
また、軍需関連のロシア国有企業との取引も全面禁止。EUのセーフガード措置の対象となっている鉄鋼製品のEUへの輸入も禁止。EUがロシアに配分していた割当て量は第三国に分配される。民間の原子力発電と特定のエネルギー製品のEUへの輸送を例外として除外した上で、ロシアのエネルギー分野への新規投資も全面禁止した。
また、ロシアのエリート層への打撃を狙い、EUからロシアへの高級品の輸出も禁止。経済制裁対象の個人・法人のリストも、今回の侵攻を後方支援もしくは物質的に支援している企業も対象となった。偽情報流布に積極的な個人・法人も対象となった。
さらに、EUの信用格付機関が、ロシア政府及びロシア企業への格付サービス提供を禁止。これにより、ロシア政府及び企業の海外市場でのデットファイナンスが難しくなった。
米財務省外国資産管理局(OFAC)も3月15日、セルゲイ・マグニツキー法支配説明責任法(マグニツキー法)に基づき、経済制裁の対象として4人の個人と、団体1つを追加。加えて、ベラルーシのルカシェンコ大統領を再度経済制裁指定し、同時に彼の妻と彼の側近も指定した。米国務省は別途、国防省高官11人を指定した。
3月16日には、米国、英国、EU、日本、ドイツ、フランス、イタリア、カナダ、オーストラリアの代表で「ロシア・エリート、プロキシ、オリガルヒ(REPO)多国間タスクフォース」を結成。参加国の財務省や法務省が参加し、経済制裁、民事・刑事上の資産差押え、刑事訴追等での連携を開始した。3月17日には、早速、共同声明を発表。法的措置で協働することを謳った。日本からは、鈴木俊一財相兼金融担当相、古川禎久法相、二之湯智国家公安委員会委員長が署名した。
【参照ページ】Ukraine: EU agrees fourth package of restrictive measures against Russia
【参照ページ】Treasury Sanctions Russians Connected to Gross Human Rights Violations and Corrupt Leader of Belarus
【参照ページ】U.S. Departments of Treasury and Justice Launch Multilateral Russian Oligarch Task Force
【参照ページ】Russian Elites, Proxies, and Oligarchs Task Force Ministerial Joint Statement
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