日本経済団体連合会(経団連)は12月7日、「2050年カーボンニュートラル(Society 5.0 with Carbon Neutral)実現に向けて -経済界の決意とアクション-」を発表。特に、政府による資金支援と原子力発電の再稼働・新増設を要求した。
同文書は、菅首相が10月に2050年カーボンニュートラル」を宣言したことを、「経済界として高く評価するとともに、2050年カーボンニュートラルに向け政府とともに不退転の決意で取り組む」と表明。「現状に手をこまねいていれば、『経済と環境の好循環』の実現はおろか、グリーン成長をめぐる国際的な競争に大きく劣後し、わが国の産業競争力や立地拠点としての競争力を一気に喪失することになりかねない」と危機感を示した。
経団連から政府への提言としては、「研究開発や初期投資を支援しながら、イノベーションの創出とその内外市場への展開を図るとともに、ゼロエミッション・エネルギーが安価で安定的に供給される環境を整備」「次世代電力システムや水素供給システムといった大規模インフラや、省エネ・脱炭素化に資する生産設備、輸送機器、住宅等への投資促進」の2つとした。
イノベーションの創出では、税制面での強力な支援、技術の社会実装・インフラ整備への大規模政府投資、市場創出、ゼロエミッション・エネルギーの調達における国際的なイコール・フッティングの確保等の政府資金と、規制緩和の実現を柱に据えた。
大規模インフラについては、「とりわけ原子力は、2050年カーボンニュートラルに不可欠である」と言及。既設の原子力発電所の再稼働、リプレース・新増設を国策として明確に位置付けるよう求めた。またSMR(小型モジュール炉)等の新型原子炉等の研究開発についても政府方針を示すようも求めた。再生可能エネルギーについては、日本ではコストが高いとし、FIT制度(固定価格買取制度)からの早期の脱却によるコスト削減を求めた。
サステナブル・ファイナンスでは、EUタクソノミーで掲げられているグリーン・ファイナンスだけでなく、トランジション・ファイナンスも必要になると指摘した。
【参照ページ】2050年カーボンニュートラル(Society 5.0 with Carbon Neutral)実現に向けて
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