国際エネルギー機関(IEA)は7月9日、初の「クリーン・エナジー・トランジッション・サミット」をオンラインで開催した。40ヶ国の大臣が参加し、新型コロナウイルス・パンデミックからの持続可能でレジリエントな復興や、CO2排出量の削減について議論した。
参加した40ヶ国で世界経済の二酸化炭素排出量の8割を占める。最大の排出国である中国、米国、EU、インドも出席。日本からは梶山弘志・経済産業相が参加した。参加者は、新型コロナウイルス・パンデミックがエネルギーシステムに与えた影響や、クリーンなエネルギーにシフトする重要性を強調した。水素などの技術革新を促進すること、包括的で公平な復興、そして電力分野をどのようにレジリエントで持続可能なものとするかが、主要なテーマとなった。
今回のサミットでは、国連のアントニオ・グテーレス事務総長もスピーチを行った。その中で、再生可能エネルギーに向かう政策を打ち出した国として、カナダ、EU、韓国、ナイジェリアを挙げ称賛した。一方、いまだに石炭火力発電を推進している国もあるとし、経済的にも環境的にも間違っていると批判した。日本政府は数日前に、低効率石炭火力発電から高効率火力発電への輸出シフトを発表したばかりだった。グレーレス事務総長は、「石炭を使った復興はありえない」と話した。
【参考】【日本】経産省、低効率石炭火力廃止や輸出厳格化の意向表明。このニュースの読み解き方(2020年7月4日)
IEAの事務局長であるFatih Birol博士は「経済復興と同時に、2019年をCO2排出量のピークとし、未来に向かって持続可能な電力システムを構築しなければならない。クリーンなエネルギーへのシフトに拍車がかかっている」と述べた。
【参照ページ】40 Ministers from around the world gather to address the world's energy and climate challenges - News
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