世界経済フォーラム(WEF)は2月21日、廃棄物を再利用またはリサイクルするサーキュラーエコノミーへの取組で、「サーキュラーズ賞」を7団体・個人に授与したと発表した。授賞式は年次総会(ダボス会議)の中で行われた。
WEFは、サーキュラーエコノミーは世界経済に4.5兆ドル(約450兆円)(*)の新たな成長機会をもたらすとし同賞を運営している。申請数は2018年の1.5倍。45カ国以上のから450を超える応募があった。WEFは、サーキュラーエコノミーを実現する「クロージング・ザ・ループ(環を結ぶ)」は、単なる天然資源の管理でなく、競争力をもたらすものととらえている。
サーキュラー・エコノミー・マルチナショナル(多国籍企業)部門賞
シュナイダーエレクトリック(フランス)
レンタルや従量課金リース等の方法で製品寿命を延ばし、サーキュラー事業を実施。その結果、サーキュラー事業が2018年から2020年までの自社収益の12%を占めるまでに急成長。約10万tの一次資源消費が回避される見込み。
サーキュラー・エコノミー・SME部門賞
リーハイ・テクノロジーズ(米国)
使用済みタイヤから抽出した資源を新しいタイヤやその他の素材に活用。今日までに、このサーキュラーモデルによって5億本以上のタイヤが製造された。
ピープルズ・チョイス賞
トリシクロス(チリ)
南アメリカ最大のリサイクルセンター・ネットワークを構築し運営。今日までに、3万3,000tのリサイクル材料を埋立前に仕分け、二酸化炭素排出量を14万t以上削減した。
サーキュラー・エコノミー・パブリックセクター
欧州委員会(EU)
欧州委員会が策定した「サーキュラーエコノミー・アクションプラン」により、EU域内の中小企業の24%がサーキュラーエコノミー型のを活かした製品やサービスを提供。
サーキュラー・エコノミー・インベスター
Impax Asset Management(英国)
投資家によるサーキュラー・エコノミーへの投資を促進。現在、上場企業100社以上に約80億米ドル(約8,700億円)を投資。FTSEも2007年、同社の環境市場分類を採用。
サーキュラー・エコノミー・破壊的イノベーション部門
ウィノウ(英国)
同社のスマートメーターはごみ箱に捨てられたものを分析し、その情報を製造プロセスと共有することで、食品産業の廃棄物削減を支援。ウィノウは世界中の多くの厨房の廃棄物を半減し、消費者の出費を年間2,500万米ドル(約27億円)節約した。これは、1年あたり1,800万食分に相当。
サーキュラー・エコノミー・リーダーシップ部門
フレミング・ベセンバッシャー氏
デンマーク政府のサーキュラー・エコノミー諮問委員会の議長。同国においてサーキュラーエコノミーの推進や、カールスバーグの監査委員会の議長を務めるなど、リーダーシップを発揮。
[2019年2月28日訂正]
金額を修正した。
【参照ページ】Closing the Loop: Meet the Pioneers Turning our Global Economy Circular
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