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【国際】「先進企業の気候変動移行計画策定はCFO主導が約3割」UNGCとCBI合同レポート

 国連グローバル・コンパクト(UNGC)の「SDGsのためのCFO連合」と、気候債券イニシアティブ(CBI)は9月21日、企業のCFO向けの気候変動緩和対策レポートを共同発行した。

 同レポートは、CBIが作成。CBIは、CFO向けアンケート調査を実施しつつ、32社のCFOにインタビューも行った。インタビューに応じたのは、ABインベブ、エネル、EDP、ブラスケム、ベライゾン、テスコ、セメックス、ダノン、ハイデルベルク・セメント、ペトロナス、シュナイダーエレクトリック、アストラゼネカ等。日本企業は含まれていない。

 CBIのCFO向け調査では、戦略的な移行計画策定の要因となった背景について、「投資家からの後押し」「災害等の歴史的出来事」「新しいCEOやCFOの就任」「NGOからのプレッシャー」「規制圧力や規制によるインセンティブ」「新技術の登場や競合企業からのプレッシャー」を挙げた。また、個々のCEOやCFOの個人的なリーダーシップが重要な役割を果たしたこともわかった。

 移行計画の策定を主導したの人では、CEOが33%、CFOが27%、取締役会が13%、経営陣が13%、サステナビリティチームが13%。実際にCFOが主導した企業が少なくないことがわかった。

 CFOの役割は、純粋な財務戦略の策定にとどまらず、ESG評価や非財務指標が株価や債券発行条件に影響を与えており、多くのCFOはチームスキルの向上に動いていることもわかった。さらに、CFOが、財務情報と非財務情報の一貫性を確保し、資金調達を確保するために重要と認識していることもわかった。グリーンボンドやグリーンローン等での資金調達でも、CFOが財務と非財務の双方を理解し、統合してきているという。

 また、CFOが指標や目標を設定する上で、悩んだこととしては、いかに設定する検討を開始するかにあったという。その上で、サステナビリティ・リンク・ローン等の手法は、実際に検討を始める大きなきっかけとなっていた。また、実際に設定する際には、目標達成への可能性を従業員が感じるものための内部コミュニケーションに気を使ったと回答。しかし、実際に目標設定したタイミングで、目標達成に自信があったCFOは3分の1にとどまり、3分の2は未来の不確実性のために自信が持てていないながら、目標徹底に踏み切っていたこともわかった。

 また具体的な戦略に落とし込む移行計画の策定では、達成に向けたコストの検討が重要となっており、特に予算が限られている中小企業では、移行コストの妥当性と他の短期的な優先事項とのバランスを取ることをCFOが慎重に管理する必要があるとした。また必要資金の確保では、競争力のある調達コストで、資金調達する上でもCFOの役割は重要となっており、デットでの調達だけでなく、助成金、税額控除、合弁事業、パートナーシップ、パートナーとの共同出資等の選択肢も検討すべきとした。

 スコープ3の削減では、CFOはサプライチェーン部門長との協働が重要になるとし、大まかに主要な排出源を特定した上で、レバレッジのサプライチェーンから実践すべきとした。特にサプライヤー評価では、10%から15%のウエイトを、カーボンニュートラルに関するKPIとすべきとの提唱。CDPサプライチェーンの活用も選択肢の一つとした。

【参照ページ】30 Chief Financial Officers representing nearly $1 trillion market cap outline the opportunities of climate action

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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