金融安定理事会(FSB)は7月13日、同機関の下で運営されている気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の普及進捗モニタリング業務を、2024年からIFRS財団の国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)に移管すると発表した。
今回の決定を受け、ISSBは、TCFDに関する情報開示の質、入手可能性、比較可能性に関するモニタリング枠組みや、測定KPIを開発していく。FSBは今回、企業の二重報告を回避するための相互運用性の促進や、開示の信頼性を高めるためのサステナビリティ報告のためのグローバルな保証フレームワークの開発等にも言及した。
FSBは、今回の決定も踏まえ、今後の方向性を示した年次進捗報告書を、7月17日から18日までインドのガンジナガルで開催されたG20財務大臣・中央銀行総裁会議に提出した。FSBは、4つの観点でロードマップを定めており、企業開示では、ISSBがS1とS2を最終発表したことを「大きな成果」と讃え、今後、証券監督者国際機構(IOSCO)が、各法域の状況を反映し、堅固かつタイムリーな方法で基準を採択、適用、その他の方法で活用していくことが重要とした。
2つ目の観点は、金融規制への反映。FSBは、気候関連リスクをマクロ・プルーデンスとミクロ・プルーデンスの双方のリスク評価に組み入れていくため、作業部会を設置する考えを発表。数多くのイニシアチブが自発的に発生している中、緊密に協調していく必要があるとした。
3つ目の観点の開示データの質については、データへのオープンアクセスを提供し、セクターや法域を越えて一貫性と信頼性をもって気候関連リスクを反映するため、グローバルなリポジトリを開発することが重要とした。
4つ目の観点は、脆弱性分析。気候ストレステスト等、金融システムの脆弱性モニタリングのための概念フレームワークと測定基準の開発が進展していることを歓迎。今後は、気候ショックのクロスボーダー及びクロスセクターの伝播に関する理解を深めるためのさらなる作業が必要とした。
【参照ページ】FSB outlines next steps on climate roadmap, following the finalisation of the global sustainability disclosure standards
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