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【国際】世界経済フォーラム、養殖業サステナビリティ強化に向けロードマップ提言。重要4テーマ

 世界経済フォーラム(WEF)は3月3日、養殖業のサステナビリティ強化のための政策提言を含めた報告書を発表した。70以上の業界リーダーが加盟するイニシアチブ「Friends of Ocean Action」の「ブルーフード・パートナーシップ」がまとめた。国際養殖漁業NGOのFUTUREFISHと水産養殖管理協議会(ASC)がとりまとめた。

 ブルーフードとは、淡水や海洋の生態系で採捕・養殖された魚類、無脊椎動物、藻類、水生植物のこと。世界で最も取引量の多い食品であり、陸上での食料生産よりも二酸化炭素排出量が少なく、気候レジリエンス向上と世界の食料安全保障を確保するために不可欠とされる。ブルーフードの需要は2020年と比較して2030年までに32%の増加、2050年までに倍増すると予測されており、この需要の多くを養殖産業で支える必要がある。

 【参考】【国際】世界経済フォーラム、ブルーフードで起業家11人を表彰。今後注目の分野(2021年10月2日)

 同報告書では、持続可能な養殖システムの実現に向けて「責任ある生産」「より良い生活」「健康的な消費」「産業基盤の整備」の4つのテーマに関して具体的な方針を示した。責任ある生産では、生物多様性を考慮した生産アプローチを実現することが持続可能かつ栄養価の高い食品の提供を実現する上で最も重要とした。農業と養殖等の統合システムの実現、二酸化炭素排出量の削減、飼料等の分野でのイノベーションハブの実現、データ駆動型の意思決定ができるシステムづくりを提言した。

 より良い生活では、バリューチェーン全体における利益の公平性の実現を訴えた。小規模な企業、女性、若者の権利を支援する必要があり、人権や児童労働に関する報告ガイドラインに関する政策の展開を提案した。

 3つ目の健康的な消費では、すべての消費者が栄養価が高く、二酸化炭素排出量が低い多様なブルーフードにアクセスしやすくすること、入手しやすくすること、手頃な価格にすることを重要とした。

 最後の産業基盤の整備では、データと知識の共有、幅広い協力体制の構築、投資の活性化の3つのテーマに関する改善を提言。既存のデータセットの整合性を担保し、透明性の高いデータシステムを官民のガバナンスに組み入れること、官民が連携したマルチステークホルダー型の政策推進をすること、ESG基準を考慮したファイナンス戦略を策定すること等を訴えた。

【参照ページ】World Economic Forum’s Blue Food Partnership Launches Roadmap to Strengthen Sustainable Growth in Aquaculture

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究室

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