最保険世界大手独ミュンヘン再保険は3月31日、保険引受での2050年までのカーボンニュートラル(二酸化炭素ネット排出量ゼロ)にコミットするイニシアチブ「Net-Zero Insurance Alliance(NZIA)」からの脱退を発表した。同社はNZIA創設8社のうちの1社だった。
【参考】【国際】UNEP FI、保険引受でNet-Zero Insurance Alliance(NZIA)発足。8社が創設企業(2021年7月12日)
同社は今回の脱退に関し、保険引受でのカーボンニュートラルに関する顧客エンゲージメントでは、集団的エンゲージメントの機会が非常に限られている点を挙げた。また競争法上のリスクへの懸念があったことも明らかにした。そのため「個別に気候変動緩和のための目標を追求する」と伝えた。
同社は別途、アセットオーナーとして、2050年までの運用ポートフォリオのカーボンニュートラル(二酸化炭素ネット排出量ゼロ)にコミットするアセットオーナーのイニシアチブ「Net-Zero Asset Owner Alliance(NZAOA)」にも加盟している。こちらの加盟は継続する模様。
NZAOAは3月、加盟機関に対し、石油・ガスセクターに対する1.5℃整合性確保を要求している。ミュンヘン再保険は今回、元受保険、直接再保険、任意再保険の運用について、石油・ガスの探査・生産で、2050年までにカーボンニュートラルを達成する関連するため、エクスポージャーを削減する予定と表明。第一段階として、2025年までに排出量を5%削減するとした。
【参考】【国際】NZAOA、石油ガスセクターに1.5℃整合性確保要求。油田・ガス田への新規投資禁止(2023年3月30日)
保険エクスポジャーに関しては、NZIA脱退後も野心的目標を堅持する。2023年4月時点で、ミュンヘン再保険は、新規の油田やガス田や、新規の中流石油インフラを含むプロジェクトの保険を引き受けていないと表明。さらに、ダイレクト保険事業および任意再保険事業で、一般炭関連への保険エクスポージャーを2025年までにグループ全体で35%削減し、2040年までにゼロにすることも伝えた。同社は、2018年以降、新規の石炭火力発電所、炭鉱、2019年以降はオイルサンド鉱山への保険も停止している
【参照ページ】Munich Re discontinues NZIA membership
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