EUの欧州銀行監督局(EBA)は10月21日、投資会社指令(IFD)に基づく投資会社の健全性(プルーデンス)監督で、ESGリスクを統合する手法に関し初期検討結果をまとめた報告書を公表した。今後のルール化に向け、欧州委員会、EU理事会、欧州議会に報告書を送付した。
投資会社指令(IFD)35条d項は、金融監督当局と投資会社自身が、短期、中期、長期のESGリスクのインパクトを評価できる基準、パラメーター、指標を定めた報告書を作成するようEBAに義務付けている。そこで、EBAは2021年6月、資本要求指令(CRD)と投資会社指令(IFD)に基づき、銀行や投資会社のESGリスクマネジメント・監督に関する報告書を公表。ESGリスクの共通の定義を提供し、銀行や投資会社がESGリスクを特定、評価、管理するために実施すべきアクション、プロセス、メカニズム及び戦略の方向性を提示していた。
その上で、今回の報告書は、投資会社の金融監督上のレビューと評価プロセス(SREP)の在り方をさらに詳細に提示したもの。投資会社の監督プロセスにESG関連リスクを組み込むための、ビジネスモデル分析、内部ガバナンスとリスクマネジメントの評価、資本性リスクと流動性リスクの評価等の主要な要件を整理した。
今回提示された大きな特徴は、比例原則の採用。ESGファクターやリスクが、投資会社のリスクプロファイルに影響を及ぼす可能性がある場合、ESGの考慮を比例した形で組み込む必要性があることを強調した。比例原則の観点は、投資会社のビジネスモデル、規模、内部組織、サービスや活動の性質・規模・複雑さ、ESGリスクへのエクスポージャー等で判断すべきとした。
【参照ページ】EBA publishes Report on the integration of ESG risks in the supervision of investment firms
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