東レは11月24日、食品飲料製造やバイオ分野において、精製・濃縮工程に用いる高耐久性の中空糸限外濾過膜モジュールを開発し、顧客へのサンプル提供を開始したと発表した。従来型の熱濃縮法と比べ、二酸化炭素排出量を8割以上削減できる。今後、量産化に向けた生産技術開発を加速していく考え。
中空糸膜は、分離性に優れ、膜の集積度が高く設置面積を縮小でき、高面積利用効率の点から液体濾過に広く使われている。同社の中空糸膜は、水処理用途で、独自の高強度PVDF(ポリフッ化ビニリデン)中空糸膜技術により、高い耐久性と優れた分離性を実現し、広く採用されている。
今回、水処理向けに開発してきた高強度中空糸膜技術を活かし、新規に外圧式クロスフロー濾過モジュールを開発。外圧式モジュールは、食品分野で従来使用されている内圧式モジュールと比べ、圧力損失が3分の1で済み、従来の膜では濾過が難しかった高濁度、高粘度の液体についても濾過や濃縮が可能となった。
また、大膜面積化技術の適用により、膜モジュールの本数も減らすことができ、50%の省スペース化や、洗浄・設備コストの20%以上の削減が可能という。さらに、蒸気や温水に対する耐熱性を有し、熱殺菌や高温濾過も可能。開発品を用いた高濁度微生物培養液の濾過テストでは、長期安定した濾過に加え、蒸気滅菌により20日以上雑菌汚染が生じないことも実証した。
【参照ページ】食品飲料・バイオ用途向け中空糸膜モジュールを開発
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