英アパレルEコマースASOSは8月7日、取り扱いブランド企業に対し、2020年までにサステナビリティを高めるための4つのアクションを新たに義務化した。ASOSは2018年から取り扱いブランドに対して要求事項を設定する「サード・パーティ・プログラム」を実施しているが、さらに要求事項を引き上げた形。
ASOSは、2000年に創業し、ロンドン証券取引所に上場している。2019年の売上は26.6億ポンド(約3,700億円)。英国だけでなく、米国、フランス、ドイツ、オーストラリア、ロシアでもEコマースサイトを展開。中国には2013年に進出したが、2016年に撤退した。
自社ブランドの製品も販売しているが、取扱商品の半分は他社ブランド品で、取り扱いブランド企業は1,000社以上に及ぶ。同社は、アパレル業界のサステナビティを高めるためには、取り扱いブランドがサステナビリティにコミットすることが必要と考え、2018年1月に「サード・パーティ・プログラム」を発表した。取り扱いブランドに2020年までに達成することを要求した事項は、
- サプライチェーン全体での「倫理的取引ポリシー」の策定
- ASOSが要求した場合にTier1サプライヤーのリストをASOSに共有
- 小売を行う国の有害化学物質規制の遵守
- 動物由来の材料を用いる場合は「動物福祉ポリシー」の策定
- 英国で事業を行う事業者は「現代奴隷声明」の公表(カリフォルニア・サプライチェーン州法遵守でも可)
要求している4事項については、「ASOSサプライヤー倫理規範」「ASOS現代奴隷声明」「ASOS化学物質ポリシーと規制物質リスト」「ASOS動物福祉ポリシー」を発表し、各ブランド企業が対策を打ちやすいようにしている。
また同プログラムでは、専任スタッフ6人が全取り扱いブランド企業1,000社以上を担当し、事業改善のアドバイスも行っている。アクションの軸は、「研修と支援」「ライフサイクル・マネジメント」「ビジビリティとエンゲージメント」「法令遵守以上のコミットメント」の4つで、丁寧な支援を展開している。
その上で今回、英国内で生産される製品を扱うブランド企業に対しては、新たに4つの要求事項を課した。まず、サプライチェーン上の工場を公表する「透明性誓約」への署名。すでにASOS、H&M、インディテックス、NEXT、ペントランド・ブランド等が署名している。2つ目は、ASOSに対し、サプライチェーンに関するサプライヤー・マッピング情報の提供。3つ目は、必要がある場合に、サプライヤーに関するリスク情報をASOSに共有。4つ目は、「Fast Forward」監査プログラムへの参加。9月にFast Forwardとともに監査プログラムに関するワークショップを開催する。
【参照ページ】ASOS calls on UK brand partners to strengthen commitments to transparency and responsible action
【参照ページ】THIRD-PARTY BRANDS PROGRAMME
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