海運業界の国際8団体は12月18日、国際海運からの二酸化炭素排出量を大幅に削減するための提言を発表した。貿易輸送の90%を担う海運は、世界全体の二酸化炭素排出量の2%を占める。海運業の国際機関、国際海事機関(IMO)が、2050年までに海運の二酸化炭素排出量を半減する目標を掲げており、船主として実現への方策を提言した。
同提言は、まず、低炭素型の海運するには、R&Dが不可欠とし、IMOが監督する非政府R&D機関「国際海事R&D理事会(IMRB)」の設立を提言。IMRBの活動財源として、海運燃料1t当たり2米ドルを海運事業者から徴収することを提案した。これにより、今後10年間で50億米ドル(約5,500億米ドル)のR&D費用を確保できるという。この費用をR&Dに投じることで、2030年代前半までに実現可能な二酸化炭素排出量ゼロ海運手法が実現できるとした。
ICSは、今回のR&D構想に、他のステークホルダーも参加することを歓迎。特にIMOは、R&Dプログラムを国際協調させる仕組みを2023年に構築するため、海洋汚染を防止する「マルポール条約」の改正を進めており、2020年3月開催のIMO海洋環境保護委員会で議論されることに期待を寄せた。
今回の提言に参画したのは、国際海運会議所(ICS)、ボルチック国際海運協議会(BIMCO)、国際独立タンカー船主協会(INTERTANCO)、国際パーセルタンカー協会、インターフェリー(INTERFERRY)、国際乾貨物船主協会(INTERCARGO)、クルーズライン国際協会、世界海運評議会の8団体。
【参照ページ】Shipping sector proposes USD 5 billion R&D board to cut emissions
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