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【ドイツ】BHRRC、独大手20社の人権対応分析結果発表。シーメンス首位。20社全て課題あり

 国際人権NGOビジネスと人権リソースセンター(BHRRC)は11月1日、ドイツ大手20社を対象に、人権に関する開示状況のアセスメントレポートを公表。いずれの企業も人権について基本的な基準を満たしていないと結論づけた。一方、ドイツ政府は2016年、2020年までに従業員500人以上の企業の半数以上が、人権リスクやネガティブ・インパクトを特定し緩和する人権ポリシーや手続きを整備するという目標を設定している。

 今回対象となったのは、2017年度の売上上位20社。シーメンス、ダイムラー、ドイツテレコム、メトロ、ティッセンクルップ、バイエル、BASF、コンチネンタル、ボッシュ、エーオン、BMW、フォルクスワーゲン、RWE、ミュンヘン再保険、アリアンツ、Uniper、ドイツ鉄道、ドイツポスト、ZFフリードリヒスハーフェン、ドイツ銀行。

 同アセスメントでは、対象企業の公開情報を基に実施。英保険大手AVIVA、BHRRC、Calvert Investments、Eiris財団、人権ビジネス研究所(IHRB)、VBDO等が開発した企業人権ベンチマーク(CHRB)の簡易版を活用。国連ビジネスと人権に関する指導原則(UNGP)の要件に準じた12指標との整合性を調査した。12指標は、それぞれ0点(要件を満たさない)、1点(基本要件は満たす)、2点(基本要件以上の取り組みを実施)で評価された。

12指標全てで基本要件を満たす企業はゼロ

 20社の中で12指標全てで1点以上を獲得した企業はなかった。

90%の企業が人権デューデリジェンスプロセスに欠陥を抱えている

 ダイムラーとシーメンスを除く18企業は、人権デューデリジェンスプロセスに課題があると指摘。具体的には、ステークホルダーとの協働を実施していない点や、マテリアリティ・アセスメントの一環で、非常に一般的な水準でしかデューデリジェンスを実施していないとした。「最も深刻な潜在的リスク」を想定したデューデリジェンスの実施を求めた。

救済措置も未整備

 救済措置については、バイエル、メトロ、ティッセンクルップの3社しかコミットメントを公表していないとした。いずれの企業も従業員の苦情処理メカニズムを整備している一方、基本的な水準で活用できている企業は10社しかないと指摘。また、サプライチェーン上の潜在的な影響下にある個人やコミュニティについても明記している企業は、1社しかないとした。

最高評価となったのはシーメンス

 20社の中でシーメンスが14.5点(60%)を取得し最高評価。最低点はドイツ銀行の6点(25%)。平均は10.1点(42%)。

 今回の分析結果発表を受け、BASF、フォルクスワーゲン、ZFフリードリヒスハーフェンの3社は、BHRRCに対し声明を発表。BASFは、BHRRCの調査期間後にすでに人権ポリシーを強化済みと回答。フォルクスワーゲンとZFフリードリヒスハーフェンは、すでに人権デューデリジェンスの強化に着手していると答えた。

【参照ページ】Respect for Human Rights

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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