金融庁は2月13日、「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策(AML・CFT)に関するガイドライン」の一部改正案を公表した。「顧客管理」の項目において、顧客のリスク評価を「対応が求められる事項」として明確化した。3月15日までパブリックコメントを募集する。
今回の改正では、まず、「基本的な考え方」において、非営利団体との取引で、活動の性質や範囲等によってはテロ資金供与に利用されるリスクがあることを踏まえ、国によるリスク評価の結果(犯収法に定める「犯罪収益移転危険度調査書」)やFATFの指摘等を踏まえたリスク低減措置をとることが重要という内容の文言を追加。国際的なマネーロンダリング規範であるFATFの名に言及し、国際基準でのリスク対策を促した。
また、顧客管理(KYC/CDD)においては、改正前は「マネロン・テロ資金供与リスクが高いと判断した顧客」について管理の徹底としてのに対し、改正後は「全ての顧客についてリスク評価を実施する」という文言を追加し、全顧客のリスク評価を行った上で、リスクが高い顧客を特定することを明確にした。また、顧客管理だけでなく、個々の取引にまで着目した手法があることも言及し、必要に応じて取引単位でのリスク低減が必要となるとの見方も示した。
疑わしい取引への対応でも、国際的に普及が進む「リスク・アプローチ」を強調し、「例えば高リスクと判断した顧客については調査頻度を高める一方、低リスクと判断した顧客については調査頻度を低くするなど、確認の頻度を顧客のリスクに応じて異にする」手法も例示した。
データ管理については、網羅性・正確性を定期的に検証すべきという内容を追加した。
【参照ページ】「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン」の一部改正(案)の公表について
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