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【国際】COP24、パリ協定ルールブック採択。加盟国報告ルール固まる。市場メカニズムは次回先送り

 国連気候変動枠組条約カトヴィツェ会議(COP24)は12月15日、パリ協定運営のためのルールブック「パリ協定ワークプログラム」を含む包括決議案「カトヴィツェ気候パッケージ」を採択し、閉幕した。気候変動枠組条約(UNFCCC)は全会一致での可決が原則のため、今回も196ヶ国とEUが賛成し採択された。パリ協定から、2016年のマラケシュ会議(COP22)、2017年のボン会議(COP23)を経て、3年がかりで合意に至った。

 パリ協定ワークプログラムは、2020年からの各国の義務を定めたパリ協定の具体的なルールを定めたもの。審議が最も紛糾した先進国と発展途上国に同じ報告ルールを設けるか否かについては、最終的にすべての国を対象としたほぼ同一のルールを適用することで妥結した。各国政府がUNFCCCに毎年行う報告には、二酸化炭素排出量削減目標に基準年等の詳しい情報や情報源を盛り込むことも定めた。但し、発展途上国についてはキャパシティ不足も否定できないことから、先進国より緩い報告基準も例外的に容認した。この緩い基準を用いる場合は、妥当性説明と、一般的な基準での報告に戻す時期の明言が条件付けられることとなった。先進国から発展途上国への資金援助では2年毎に将来の支援額を各先進国が表明することも決まった。ルールブックを破った場合に、罰則を科さないことも決まった。 

 また同パッケージの中では、発展途上国への先進国の資金援助について2025年以降の目標額を定めるプロセスや、2023年の会合で世界全体の実施状況を把握するための測定枠組み「グローバル・ストックテイク」の具体的な測定方法、技術移転に関する進捗の評価方法等についてもガイドラインを定めた。

 一方、今回の会議で妥結できず先送りされた案件も多い。各国の二酸化炭素排出量削減目標の更新間隔では、5年単位で設定する案と10年単位で設定する案が最後までまとまらず、次回COP25に先送りとなった。排出量取引(排出権取引)等の市場メカニズム運用についても合意できず、COP25での合意を目指すこととなった。

 パリ協定のルールブックは、本来パリ協定の条文では、2016年のCOP22の一部として開催するパリ協定第1回締約国会合(CMA1)で決定することになっていたが合意できず、2017年のボンでは「パリ協定第1回締約国会合パート2(CMA1-2)」、そして今回のカトヴィツェでは「パリ協定第1回締約国会合パート3(CMA1-3)」とし第1回会合の延長開催という体裁をとった。

 12月3日から12月15日まで2週間開催されたCOP24では、他にも、EU主要諸国、アルゼンチン、カナダ、フィジー、マーシャル諸島、ジャマイカ、コスタリカ等の26ヶ国で構成する「High Ambition Coaliton(高い野心同盟)」が12月12日、2019年中にサミットを開催し、2020年以降の自主削減目標を高める方向で改訂しに行くと宣言した。

 また、15の国際機関も12月12日、事業運営からの二酸化炭素排出量をゼロにする目標を表明。参加した国際機関は、経済協力開発機構(OECD)、アジア開発銀行(ADB)、欧州復興開発銀行(EBRD)、欧州投資銀行(EIB)、米州開発銀行(IDB)、西アフリカ開発銀行(EADB)、東アフリカ開発銀行(BOAD)、南部アフリカ開発共同体(SADC)、東南部アフリカ市場共同体(COMESA)、ラテンアメリカ・エネルギー機構(OLADE)、世界旅行ツーリズム協議会(WTTC)等。

 12月11日には、「国連気候アクション賞」の受賞団体発表もあり、バンク・オブ・アメリカ投資銀行部門、加ブリティッシュコロンビア州政府、Seacology、Yalla Let’s Bike等15団体のイニシアチブが受賞した。

 次回COP25の開催地は、12月14日に、チリに決まった。

【参照ページ】New Era of Global Climate Action To Begin Under Paris Climate Change Agreement
【参照ページ】Global Climate Action Lights the Way Ahead for Enhanced Ambition
【参照ページ】At COP24, countries agree concrete way forward to bring the Paris climate deal to life
【合意文書】Katowice texts
【参照ページ】STATEMENT ON STEPPING UP CLIMATE AMBITION
【参照ページ】At COP24, Leading International Organizations Commit to Climate Neutrality
【参照ページ】Winners of UN Climate Action Award Honored in Poland

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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