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【日本】日本トラスティーサービス信託、東芝に119億円の損害賠償請求

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 東芝からの8月26日の情報によると、同社の大株主である日本トラスティ・ーサービス信託銀行は8月9日、不適切会計問題で損害を被ったとして、東芝に対して119億9,261万円の損害賠償を請求する訴訟を東京地方裁判所に提起した。8月25日に訴状が東芝に届いた。

 日本トラスティー・サービス信託銀行は、日本の三大資産管理専業信託銀行の一つ。年金基金や保険会社などが運用会社に投資運用を委託したり、個人が投資信託やETFを購入した際の資産は、法令で信託銀行が名義人として管理することとなっている。資産管理専業信託銀行は、このように運用会社が運用する資産の管理に特化する信託銀行で、日本には日本トラスティー・サービス信託銀行(三井住友トラスト・ホールディングスとりそな銀行が出資)、日本マスタートラスト信託銀行(三菱UFJ信託銀行、日本生命保険、明治安田生命保険、農中信託銀行が出資)、資産管理サービス信託銀行(みずほフィナンシャルグループ、第一生命保険、朝日生命保険、明治安田生命保険、富国生命保険が出資)の三大大手がある。年金基金や投資信託が運用で投資している場合、名義上の株主は、年金基金や投資信託を購入している個人ではなく、資産管理をしている信託銀行となる。

 今回、日本トラスティ・ーサービス信託銀行が見積もった損害額は全体で215億9,746万円。このうち今回提訴した損害額119億9,261万円は、国民年金と厚生年金の積立金を管理している政府の年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が被ったと損害額分だという。訴訟の背景には、GPIFから日本トラスティー・サービス信託銀行への働きかけがあったと考えられる。昨今、機関投資家に対しては、受益者の利益を十分に考慮すべきだという受託者責任の考えたが強く要求されるようになってきている。年金基金にとっての受益者は国民年金や厚生年金に加入する国民であり、GPIFは国民の利益保護のため今回のアクションを起こしたとみられる。受託者責任の考え方が強くなると、株主に損害を与えるようなコーポレート・ガバナンスの不備、環境や社会など事業リスク管理に対して、株主である投資家から企業への目が厳しくなると言われている。

 ロイター通信の報道によると、東芝は「今後、合理的に見積もり可能な金額を引き当て計上する予定だが、現時点では未定」としている。

【参考ページ】東芝、日本トラスティー信託が119億円の損害賠償請求 不適切会計
【参考ページ】日本トラスティ信託銀、東芝に119億円賠償請求

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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