化粧品世界大手の英Body Shopは5月24日、熱帯雨林を保護するための取り組みである「バイオブリッジ」を新たにベトナムとインドで創設する計画を発表した。バイオブリッジとは、森林破壊により離散してしまった熱帯雨林を自然の通路で接続するという構想。生態系が繋がることで交配が進み、森林を再生し、絶滅危惧種または孤立している動植物を保護する効果がある。Body Shopは、このプログラムを通じて7,500万m2の森林を再生する考えだ。
Body Shopの製品には様々な天然資源が活用されており、生物多様性の保護は、同社のサステナビリティ戦略である「Enrich Not Exploit™ Commitment」の一つの柱と位置づけられている。森林破壊には密猟や農地の乱開発の問題も絡んでおり、森林を再生するためには、自然保護だけでなく、周辺地域コミュニティの適切な開発援助も不可欠。同社のバイオブリッジ計画ではその双方を対象とし取り組む。
最初の対象地は、北中部ベトナムにあるKhe Nuoc Trong森林。Khe Nuoc Trong森林はアカアシドゥクラングール、サオラ(アジアのユニコーンとして知られ地球上で最も希少な動物の一つ)、ベンガルスローロリスやビルマニシキヘビなどの絶滅危惧種の生息地として知られている。これらの絶滅危惧種は食用または医療用としての狩猟によって生存を脅かされている。また彼らの生息地もベトナム戦争の際に使用されたオレンジ剤による被害を依然受けているため、次々と伐採されている。同社が展開する「Help Reggie Find Love」キャンペーンでは、店頭やオンラインで同社製品を購入される度に、この森林1m2のバイオブリッジ創設のための資金提供をする仕組みで、消費者が直接森林保護に関与できる。バイオブリッジ創設では英国に拠点を置く国際環境NGOのWorld Land Trustと提携する。
インドでは、北東部のGaro Hillsを対象とし、2016年後半に開始する見込み。インドでは、World Land Trustと彼らの現地パートナーであるWildlife Trust of Indiaと組む。同社は今後65カ国でこのバイオブリッジ・プログラム展開する。
【参照ページ】Introducing the Body Shop's Bio-Bridges: a Dating Service for Endangered Species to Find Love
【企業サイト】 http://www.thebodyshop.com/Commitment/
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