第21回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP21)が行われているパリで11月30日、11か国が共同で合計2.48億米ドルをGlobal Environment Facility(地球環境ファシリティ、以下GEF)の気候ファンドに拠出することを発表した。これには、カナダ、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、アイルランド、イタリア、スウェーデン、スイス、イギリスおよび米国が加わり、具体的にはGEFが管理するLeast Developed Countries Fund(後開発途上国ファンド、以下LDCF)に提供される。
GEFは1992年に設立され、開発途上国および新興国が地球規模の環境問題に対応するために145億米ドルの資金提供を行ってきた枠組みだ。また、LDCFは2001年に設立されたファンドで、13億米ドルの資金援助および他の財源も含めた合計70億米ドルを、小島嶼開発途上国を含む129ヶ国、320のプロジェクトに投資してきた。
GEFのCEO兼会長を務める石井菜穂子氏は「今後何年も気候変動の道のりを歩むことを考えれば、増資は新しい気候枠組みの中核となすものだ」「今後数年にわたり不足するであろう、気候変動に求められる資金を埋めるには数十億ドルが必要であると理解している。しかし、本日宣言された資金は地球上でもっとも弱い立場にある人々が急速に温暖化する世界の影響に対応するために不可欠なものだ」と語る。
米国オバマ大統領はこの日のCOP21のスピーチにて「ある一定の島嶼国にとって(・・中略)気候変動は存在を脅かすものだ。そのため、今日米国は他の国々と協力し、LDCFに対する強いコミットメントを表明する」と述べた。
今回の資金援助により、GEFは農業に対する国家レベルの新しいアプローチをはじめ、気候変動災害レジリエンス向上に至るまで既に上がっている要請に応えながら幅広い支援が可能になる。
COP21は初日から枠組みの法的拘束力を巡って議論が紛糾したと報じられた。各国が直面する問題に対し交渉を続ける中、会期中には国家を超えた協力を示す明るいニュースも飛び交う。枠組みの進捗に注視しつつ、これらの情報も丁寧に拾いながら鳥瞰的に今後の気候変動の議論の行方を追いたい。
【参照リリース】$248 USD million pledged to GEF climate fund for most vulnerable countries
【参考サイト】地球環境ファシリティ(GEF)
【参考サイト】後開発途上国ファンド(LDCF)
【関連サイト】GEF後開発途上国ファンドおよび特別気候変動ファンドのプログラム提供における戦略的優先性
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