WWF(世界自然保護基金)は11月4日、製紙・パルプ関連大手企業の環境への取り組みを格付した2015年度の"Environmental Paper Company Index" (以下、EPCI)を公表した。EPCIは、企業らの自主公開データに基づいて環境方針や環境目標、新聞紙や方眼紙、ティッシュ、包装紙、パルプなどの製造における環境パフォーマンスなどを評価したものだ。2013年度の格付にも参加した企業についてはこの2年間の進捗度合いも示されている。
今年のEPCIには世界全体の紙・板・パルプ製造量の15%を占めている合計31社(2013年は25社)が自主的に参加し、計8500万トンもの紙・パルプの環境フットプリントを開示した。これは世界のティッシュ生産量の30%、方眼紙の28%、新聞紙の16%、包装紙の7%、そしてパルプの15%を占める量に相当する。参画企業にはドムターやキンバリークラークなどが含まれる。
調査の結果、今年のEPCIでは2013年と比較して製紙・パルプ業界の先進企業らの透明性・サステナビリティはより向上していることが明らかになった。WWFによると、参加企業の全てが優れた透明性を示しており、2013年に参加した企業は製品カテゴリの90%以上においてスコアを改善したという。また、最も改善が求められる製品カテゴリはパルプで、パルプについては他の製品よりも概してスコアが低い傾向が見られた。
WWFが公表した"Living Forests Report"によれば、今後30年で紙の生産及び消費量は2倍になり、木材全体の消費量は3倍になると予測されている。事業を森林資源に依存する企業は、どのようにすればより多くの木材をより環境負荷が低い形で調達できるのかという点が問われている。東南アジアを中心として世界中で森林破壊が深刻化するなか、早急な取り組みが期待される。
【参考サイト】Environmental Paper Company Index 2015
【参照リリース】WWF´s Environmental Paper Company Index shows continual improvement by leading pulp and paper producers
【団体サイト】WWF
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