米国のシリコンバレー・コミュニティ財団(以下、SVCF)は 6月30日、世界各国において従業員エンゲージメントプログラムを成功させるための実践的なアドバイスをまとめたCSR担当者向けの報告書、"Global Employee Engagement Report"を公表した。
同報告書はSVCFが従業員エンゲージメントプログラムを展開している65の企業CSR担当者およびNPO関係者らに対するヒアリング調査に基づきまとめたもので、NPOの評価からボランティア活動を取り巻く法律や政策などの具体的なアドバイスが含まれている。
なお、報告書内ではアドバイスの対象国がブラジル、中国、インド、南アフリカ、英国の5ヶ国に絞りこまれている。報告書の内容自体は全ての国で適用可能なものだが、特に上記5ヶ国については企業からの従業員向けプログラム展開ニーズが高く、加えてこれらの国々は文化的・法的背景が分かりづらいため、国ごとに個別のアドバイスが記載された。アドバイスの一例は下記の通りだ。
- ブラジルでは企業経営者らは従業員エンゲージメントプログラムが地域社会にリアルな価値をもたらすことを期待しており、PR目的だと認識されるとネガティブな反応を示させる可能性がある。
- 中国では多くの企業が「社会的企業(営利企業だが実態は非営利に近い企業)と共にボランティアプログラムを実施しており、これらの社会的企業は政府が運営するNPOと比較して煩雑さが少ない
- インドでは従業員エンゲージメントプログラムにおいて経営陣の存在が見えることが重要。経営陣からのメールやソーシャルメディアを通じた呼びかけが、従業員がプログラムに関わるきっかけとなる
SVCFのCEOを務めるEmmett Carson氏は「世界を舞台に活動している企業が慈善プログラムを世界中で広めることは、時に複雑で困難な作業となる。この報告書は、世界のCSR担当者らがより効率性と効果を高める上で役に立つ洞察を提供している」と語る。
従業員エンゲージメントプログラムの効果を最大化するためには、各国の文化的背景や法律などを考慮してカスタマイズされたプログラム展開をする必要がある。グローバルに事業を展開する企業にとって同報告書のアドバイスはとても参考になるはずだ。
【レポートダウンロード】Global Employee Engagement Report
【参照リリース】Global Report Sheds Light On Employee Engagement Practices In Five Countries
【団体サイト】Silicon Valley Community Foundation
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