【6/29・7/6@東京 セミナー】CSR重要トピックスてんこ盛り解説セミナー

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~ 最新CSR重要トピックスの解説とCSR注目記事の紹介~  各国、各企業ともにSDGsへの取り組みを本格始動する中、産業別の手引きである“SDG Industry Matrix”が公開され、日本政府からも指針が打ち立てられました。  また、2017年4月には世界初の現地語版である“GRIスタンダード日本語版”が発行されるなど、これまでの目標や方針を実現するために、CSRに関わる様々な動きが巻き起こっています。  そこでYUIDEAでは、CSRに関わるホットトピックスを一挙に解説していきます!  日本としての長期戦略に影響する「低炭素ビジョン」や、サプライヤーのサステナビリティ情報プラットフォーム「エコバディス」と「セデックス」の解説など、CSRの動きの全体像が見えてくる、担当者必見のセミナーとなっております! ■CSR重要トピックスてんこ盛り解説セミナー  【開催概要】 日時: 第1回 2016年6月29日(木)14:30~16:30 (受付14:00~)     第2回 2016年7月6日(木)14:30~16:30 (受付14:00~) 会場: 株式会社YUIDEA(旧:株式会社シータス&ゼネラルプレス) 本社5階      (東京都文京区小日向4-5-16 ツインヒルズ茗荷谷)     http://www.yuidea.co.jp/company/access/      東京メトロ丸ノ内線「茗荷谷駅」3番出口より 徒歩3分      春日通り沿い バス停「小日向四丁目」前 参加費: 無料 定員: 各20名程度 ※先着順 主催: 株式会社YUIDEA(旧:株式会社シータス&ゼネラルプレス) 申込: 第1回 http://www.csr-communicate.com/news/20170601/csr-31579     第2回 http://www.csr-communicate.com/news/20170606/csr-31586 詳しくは⇒ http://www.csr-communicate.com/csrinnovation/20170526/csr-31545 【セミナー解説内容】 ・SDGsへの対応を巡って~投資家、マスコミ、市民からの要請  -SDGコンパス、産業別SDG手引きの利用 ・GRIスタンダード利用に際して、もう一歩踏み込んだ解説  -GRIスタンダードを使った海外レポート事例  -GRIの開示項目チェックについて  -設問の背景 ・「長期低炭素ビジョン」を企業としてどのように受け止めるか ・ISO20400と調達プラットフォーム~Sedex/EcoVadisなど ・気候変動のリスクと機会についての開示~FSBの動向 【プログラム】 14:30 注目トピックス説明      「日本版SDGs、産業別SDG手引き、GRIスタンダード化解説 等」       CSR革新室 山吹 善彦 15:50 CSRコミュニケート提供      「1年間で注目された記事ランキング1~10位」       CSRコミュニケート編集長 宇井 千明 16:05 CSRホットキーワード解説 CSR革新室 山吹 善彦(終了16:30) 【お問い合わせ】 株式会社YUIDEA(旧:株式会社シータス&ゼネラルプレス)CSR革新室 email:info@c-gp.com tel:03-6902-2006 ※コンサルティング会社様、広告制作会社様などはご遠慮いただく場合がございます。 主催:株式会社YUIDEA(旧:株式会社シータス&ゼネラルプレス)

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2017/06/13 行動する

【アジア】アジアニュースサイト、アジア地域CSRトップ50社を発表。日本企業は11社

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 デジタルメディア英Hybrid Newsが運営するアジア地域ニュースサイト「Asian Correspondent」は2月21日、日本を含むアジア地域のCSRトップ50企業「Asian Correspondent 2017 CSR 50 Index」を発表した。21世紀はアジアの世紀と呼ばれるほど、アジアの経済発展は著しく、それに伴う環境、社会課題も噴出している。Asian Correspondent 2017 CSR 50 Indexは、国際的な基準に照らしながら環境、社会、ガバナンス(ESG)に優れた50社を独自の手法で選出した。  アジアは、目覚ましい経済成長の裏で、経済格差、労働者の権利侵害、汚職、環境汚染といった問題を抱えている。例えば、毎年世界の海には800万tのプラスチックが廃棄されるが、その60%は中国、インドネシア、タイ、ベトナム、フィリピンの5か国に由来する。従来アジア地域ではCSRを慈善活動とみなす傾向にあったが、中間層の台頭、グローバル市場への統合、SNS等による情報の拡散と消費者の意識の高まりを背景に、企業の意識も徐々に変わり、CSRをサステナビリティへの取組と捉える向きが強くなっている。特に、大企業の経営者の間ではサステナビリティ戦略をビジネスそのものと捉える考え方も定着し始めている。 Asian Correspondent 2017 CSR 50 Index選出50社 日本(11社) アステラス製薬 ブリヂストン ファーストリテイリング 富士ゼロックス 日本航空 MS&ADインシュアランスグループホールディングス 日産自動車 NTTドコモ ソニー シスメックス 東京エレクトロン シンガポール(6社) キャピタルランド シティ・デベロップメンツ ケッペル・コープ シンガポール・テレコム スターハブ リコー・アジア・パシフィック インド(6社) アディティア・ビルラ・グループ アービンド ドクターレディーズラボラトリーズ マヒンドラ&マヒンドラ タタ・グループ ウィプロ 韓国(5社) ハンファグループ LGエレクトロニクス ポスコ サムスン電子 SKテレコム 台湾(5社) アドバンスド・セミコンダクター・エンジニアリング 中国信託フィナンシャルホールディング 富邦フィナンシャルホールディング TSMC UMC 香港(5社) 東亜銀行 キャセイパシフィック航空 CLPホールディングス 香港機場管理局 香港鉄路(MTR) タイ(4社) カシコン銀行 タイ石油公社 サイアム・セメント タイ・ビバレッジ フィリピン(3社) アヤラ・ランド エネルギー開発(EDC) マニラ・ウォーター インドネシア(2社) アジア・パルプ・アンド・ペーパー(APP) アストラ・インターナショナル マレーシア(1社) DiGi Telecommunications 中国(1社) レノボグループ Asian Correspondent 2017 CSR 50 Index選出方法  今回の選出は、Asian Correspondentによる公開情報の調査と主観判断により実施された。考慮された観点は、環境(エネルギー、二酸化炭素、水、廃棄物)、従業員(安全、多様性、倫理的労働慣行、インセンティブ)、財務(イノベーション、サプライチェーン、CEO報酬、租税)、慈善活動(ボランティア、寄付、財団、コミュニティ活動)の4つ。企業の活動については、企業報告書をGRI視点で採点。その他、Corporate Knightsの「Global 100」とDJSIも参照された。 【参照ページ】Asian Correspondent 2017 CSR 50 Index

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【インド】企業のCSR活動予算が大きく増加。背景に2013年CSR法令義務化と大企業の対応加速

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 インドで企業のCSR活動予算が増加している。インド格付会社Crisil社の集計によると、2016年決算期の企業のCSR活動予算は前年比22%、金額にして約250億インドルピー(約410億円)増加し、約830億インドルピー(約1,370億円)に達した。インドの主要経済紙Times of Indiaが報じた。  インドでは、2013年に改正された「会社法」により、企業は過去3年の平均純利益の2%相当の資金をCSR活動に費やすことが義務化されている。2016年決算期はその取組の2年目。ボンベイ証券取引所の上場企業4,887社のうち、30%の1,505社が法令基準を満たすCSR活動を実施、昨年の1,300社から大きく増えた。また1,505社のうち、77%の1,158社はCSR報告書も発行しており、前年度の1,024社と比べ報告分野でも大きく社数が増えた。  また、純利益に対するCSR活動予算の割合も、会社法が定める2%にはまだ達しないものの、昨年の1.35%から1.64%に上昇。とりわけ、CSR活動を実施している企業に対象を絞ると、すでに2%基準を達成している。全体として2%に達するためには、さらに183.5億インドルピー(約300億円)の活動予算が必要。CSRの活動内容は、政府が優先事項と掲げる教育、スキル開発、医療、衛生分野などが多く、580億インドルピー(約870億円)が費やされた。  一方で、133社はCSR活動に予算を一切割いていながい、その数も昨年の200社からは大きく減った。全体でも約3分の2はCSR活動予算を増やしているものの、3分の1は減少。法令義務の2%を上回っている企業割合も昨年の50%から56%に伸長した。  その他の傾向としては、CSR活動の成果が重視されるようになったこと、中小企業だけでなく大企業の取組が増えたことが挙がる。大企業の取組が増えた理由としては、1年目にあたる2015年度は大企業内の諸手続き等で迅速な活動ができていなかったことや、主にNGO等の社外実行部隊の協力を仰いだことが背景にある。  世界的にはCSVという形式の活動が重要性を増しているが、インド政府は2013年の会社法をもとにいわゆる「社会貢献活動」としてのCSRを推進している。そのため、社会貢献活動以外の事業にとってのサステナビリティ活動を含めると、金額はもっと大きくなりそうだ。 【参考】India Inc’s CSR spending rises 22% in FY16

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【インドネシア】紙パルプ世界大手APP、CSR評価機関EcoVadisから「ゴールド」を取得

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 紙パルプ世界大手アジア・パルプ・アンド・ペーパー・グループ(APP)は、CSRサプライチェーン認定機関EcoVadisから最高ランク「ゴールド」の評価を取得したと発表した。同社は、紙パルプ業界のサプライヤー部門の中で世界上位4%以内に入るという高い評価を受けた。  APPは、インドネシアの大財閥グループの一つ、シナール・マス・グループ(中国名:金光公司集団)のグループ企業。シナール・マス・グループは、福建省泉州出身華人系インドネシア人エカ・チプタ・ウィジャヤ(黃亦聰)氏が1970年にインドネシアで創業。同社は、紙パルプ、パームオイルやココナッツオイルなどの食用油、金融、保険、不動産など多角的事業を展開している。シナール・マス・グループの中核会社は1972年に設立されたアジア・パルプ・アンド・ペーパー・グループで、現在はインドネシアと中国の工場で生産、紙パルプの分野では世界的に大きなシェアを持っている。日本では、1997年に販売会社としてエイピーピー・ジャパン(APPJ)が設立され、今では印刷用紙、情報用紙、板紙、コピー用紙の領域で日本でのシェアも高い。AAPJは2016年4月にインドネシア企業として初めて日本経済団体連合会(経団連)に入会した。  今回の評価を行ったEcoVadisは、世界110ヵ国、150業種に及ぶサプライヤー企業の環境的・社会的慣行を改善することを目的に設立され、グローバル企業を中心に依頼を受け、サプライヤーのCSR評価を代行実施している。EcoVadisから調査対象として指名された企業は、EcoVadisのシステムにオンライン登録をし、求められた質問項目への回答、関連書類の提出などをすることが要求される。調査項目は環境、社会、倫理、サプライチェーンなど広範に渡り大きく21項目あるが、最終的に調査される内容は業界や国によって異なる。EcoVadisは提出された書類と質問項目への回答をもとに独自評価を行い、ゴールド、シルバー、ブロンズ、評価なしの4段階で評価される。  APPは今回、環境パフォーマンス部門では紙パルプ業界対象企業中上位5%以内、公正な事業活動とサプライチェーン部門では同上位15%以内に入るという高い評価を得た。同社はこれまでも環境保全に向けた取組を実施してきており、環境パフォーマンスの向上や生物多様性の保全、地域コミュニティの権利の保護をさらに向上させるため、2012年6月には「持続可能性ロードマップ ビジョン2020」を、2013年2月には「森林保護方針(Forest Conservation Policy(FCP)」を制定するなど、自然林伐採ゼロの誓約のもとに、自社の植林木による製品づくりを徹底しているという。さらに2014年9月には、国連気候変動サミットの「森林に関するニューヨーク宣言」に製紙会社としては唯一署名を実施。2015年12月には、インドネシアの森林保護・再生支援を目的とした「ベランターラ基金」の立ち上げも行っている。  APPは、今回の「ゴールド評価」について、「持続可能性ロードマップ ビジョン2020」で掲げた持続可能な原料調達、温室効果ガスの削減、生物多様性の保全、地域の活性化、並びに「森林保護方針」の成果が評価された結果だと伝えている。 【参照ページ】EcoVadis社によるサステナビリティ調査において「ゴールド」評価を取得 【参照ページ】EcoVadis 評価 - よく寄せられる質問

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【エネルギー】世界の風力発電導入量とビジネス環境 〜2015年の概況〜

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風力発電は再生可能エネルギーの中で最大規模  大きな風車が象徴的な風力発電。風力発電は気象現象として気圧差から発する風力を、風車で捉えてタービンを回し、その動力エネルギーを電力エネルギーに変える発電手法です。従来の化石燃料エネルギー型発電と比べ、二酸化炭素の排出量が著しく小さく、気候変動を抑制する効果が大きいとされています。 (出所)IEAのデータをもとに、ニューラル作成  一般的に再生可能エネルギーには、太陽光発電、太陽熱発電、風力発電、地熱発電、潮力発電、バイオマス・廃棄物発電の5種類がありますが、これまでの導入実績は大きく異なります。再生可能エネルギーの中で最大規模の発電量を誇るのは風力発電。2013年の世界全体での風力発電電力量は年間63万GWh、世界の年間総発電量の2.7%を占めています。また、再生可能エネルギー発電量全体を分母とすると、約半数の48.4%を占めています。風力発電の特徴のひとつに海上での発電が可能だというものがあります。そのため、洋上風力発電は、世界の広大な海を発電所に変えることができるため、候補地となる面積が広大。風力発電は、今後、再生可能エネルギーの中で最も伸びる分野だとも言われています。 風力発電の増加率は過去20%以上を超え、今後も増加傾向は続く (出所)GWECのデータをもとに、ニューラル作成  世界の風力発電に関する統計は、世界風力エネルギー会議(GWEC)がデータを集めています。GWECの報告書によると、風力発電の設備容量は、2001年から平均20%以上の年間成長率で増加してきました。また今後も2020年まで約13%の成長率で伸びるという予測も立てています。風力発電設備が20%成長を続けているということは、産業全体としても20%伸びているということです。つまり、風力発電の設備メーカー、建設事業者も同様に業績が拡大し、雇用も創出されています。 中国の導入量がヨーロッパを抜いた (出所)GWECのデータをもとに、ニューラル作成  世界の風力発電を牽引しているのは、今や中国です。風力発電は2000年前後から米国、ドイツ、スペイン、デンマークの4カ国がリードしてきました。特にドイツ、スペイン、デンマークは環境政策の一環として再生可能エネルギーに注力、風力発電の建設が急速に増加しました。2005年からはそれに加え、 イギリス、イタリア、フランス、ポルトガル、スウェーデン、オランダといったEU諸国も追随、またこの頃から経済発展に応じて急速に電力需要が増加した中国とインドでも導入量が増えていきます。日本は2004年時はイギリスに次ぐ世界第8位の風力発電国でしたが、その後は新規導入量が停滞。2015年時点では世界第18位にまで後退しています。今日、風力発電はEU諸国と北米、そして世界の人口大国である中国、インドが牽引しています。また、ブラジル、トルコ、ポーランドなど新興国も積極的に風力発電を伸ばしています。 ヨーロッパでは風力発電が幅広く浸透 (出所:GWEC、IEAのデータをもとに、ニューラル作成)  これまで風力発電の中心地域はヨーロッパでしたが、2015年に中国がEU28カ国全体の風力発電設備容量を超え、世界のリーダーとなりました。中国は2015年時点で世界の1/3の風力発電設備が設置されています。中国の風力発電割合は2.7%、EUの7.2%には及びませんが、日本の0.5%より高い水準です。同じく風力発電導入量が増えているインドは、2015年にスペインを抜き世界第4位となりました。  洋上風力の分野では、世界の9割以上の設備はEU諸国に偏在しています。特にイギリスが牽引しており、イギリスだけで世界の4割以上を占めています。また、イギリスの風力発電設備全体に占める洋上風力の割合も37%と高く、イギリスは洋上風力に注力していることもわかります。その他、ドイツとデンマークを足した3ヶ国の世界シェアは約80%、洋上風力は北海・バルト海で占められています。一方で、他の風力大国であるアメリカ、インド、スペイン、カナダ、フランスなどでは洋上風力は全く進んでいません。  風力発電が全発電に占める割合ではドイツ、スペイン、ポルトガル、デンマークという国で非常に高い数値が見られます。特に、スペイン、ポルトガル、デンマークでは上記の推移グラフで近年導入量が停滞しているのがわかりますが、その背景にはすでに風力発電での発電シェアが高い水準にあるためということが言えます。 風力発電の種類(陸上・着床式洋上・浮体式洋上・小型) 陸上風力発電  陸上風力発電は、風力発電の中で最も伝統的なタイプです。日本でも山間部や海外付近で風車が回転しているのをご覧になったことがある方も多いと思います。今でも世界の風力発電全体の95%以上はこの陸上風力発電です。発電機にとって命となるのは発電効率。風力発電の場合、発電力は、(1)風速の3乗、(2)風力発電の羽(ブレード)の受風面積、に比例し、すなわち風がたくさんある環境の立地であることが最も重要で、さらにその地に羽の大きな風力発電を建てるほど発電力が高まることになります。一般的に風が強い場所は、山頂と海岸。そのため、山頂と海岸が風力発電の候補地として検討されています。  風力発電が太陽光発電と大きく異なるのは発電設備の規模。太陽光が基本的に太陽光パネルを設置しさえすれば、どこでも太陽光発電が可能となるのに比べ、風力発電を効率よく行うには大きなブレードが必要とあり、自ずと発電設備が大型となります。結果的に、広い用地となります。その上、製造場所と設置場所が離れていると膨大な輸送コストもかかります。したがって、山頂部は風が多い反面、平面の場所が少なく、輸送コストもかさむため、経済合理性からみてあまり設置には適しません。また、大きな羽を陸上輸送する場合、風力発電の一基あたりの出力容量は2MWが限界とも言われています。  陸上風力発電にはさらなる制約があります。落雷や台風など自然災害の多い地域では、風力発電の破損による事故の観点から立地には適しません。また、国立公園などでは景観の観点から風力発電の設置が禁止されている国も少なくありません。風力発電は再生可能エネルギーの中でも発電効率が良く注目されてきましたが、陸上の設置には制約が多い。そこで新たに注目を集めているのが、洋上風力発電です。 着床式洋上風力発電 (出所:EWEA)  着床式洋上風力発電は、水深20m以内の遠浅の地形を活かした海の上の風力発電です。海上は陸上に比べて風が強く、設置のための輸送制約も少なく、より大型のブレードを用いることも可能なため、発電力の高い風力発電が実現できます。洋上での発電効率は陸上の1.5倍とも言われています。さらに、海上は人間社会からの距離もあるため、社会的な制約も少なくなります。こうして、着床式洋上風力発電は、2011年末の時点で設置容量は4,096MWに到達。割合は風力全体の2%と小さいですが、今、ヨーロッパで急速に増加しています。  ヨーロッパで洋上風力が伸びている背景には、遠浅の地形が多いという地理上のメリットがあります。特に力を入れているのがイギリスとデンマーク。とりわけイギリスは単独で着床式洋上風力発電の40%を占めています。さらにイギリスでは数百MWの大規模洋上風力発電プロジェクトが次々と始まっており、風力発電をまだまだ増加させる見込みです。日本もこの洋上風力に力を入れています。すでに、北海道、山形県、茨城県、千葉県、福岡県で、1GW〜3GW程度の着床式風力発電所が営業運転されていますが、ヨーロッパ諸国と比べると規模の見劣りは否めません。そんな日本でも、茨城県鹿島港で100MWの大規模洋上風力発電がソフトバンクや丸紅の出資で建設されています。 (出所)Crown Estate 浮体式洋上風力発電 (出所:国土交通省)  浮体式洋上風力発電は、最新の手法で、現在、実用化に向けた実証研究がノルウェー、ポルトガル、日本などで行われています。浮体式洋上風力発電の特徴は、浮いているということです。風力発電の発電効率をより高くするには、風がより強い沖合へと出て行く必要がありますが、沖合は水深が深く、着床式で海底に固定するためには大規模な構造物と工事を要し、非常にコスト高となってしまいます。沖合は水圧も強く耐久性も問題となります。そこで考案されたのが、海底に固定させずに洋上に浮かべる風力発電です。  この浮体式洋上風力発電を熱心に推進しているのが日本です。着床式洋上風力発電は水深50mを超えるとコストが跳ね上がるため、ヨーロッパと違って遠浅が少ない日本は着床式洋上風力を推進しづらい。そこで、水深50m~200mで実現可能と言われる浮体式洋上風力を用いて、一気に遅れを取り戻そうとしています。それを具現化したのが、福島洋上風力コンソーシアム。日本政府が、東日本大震災後の2011年度第3次補正予算で福島復興のために125億円を計上し、丸紅、東京大学、三菱商事、三菱重工業、アイ・エイチ・アイマリンユナイテッド、三井造船、新日本製鐵、日立製作所、古河電気工業、清水建設、みずほ情報総研の11社からなるコンソーシアムが、経済産業省から委託を受けて進めています。使われるブレードは、三菱重工業が同じく政府の助成金を受けて開発した一基7MWという世界最大級のものが使われる予定です。 (出所:日本風力発電協会。日本の将来展望を示したもので計画値ではない。)  浮体式洋上風力発電の実用化には多くのハードルがあると言われているのも実状です。日本政府は7MWブレードの実績を引っさげて新たな産業育成にしようとも考えていますが、世界には有力な風力発電メーカーが多数あり、日本企業は遅れをとっているのも事実。風力発電という領域で、日本政府や日本企業が注目されるようになるには、まだまだ努力が必要なようです。 小型風力発電 (出所:ウィンドパワー社)  本稿では触れていませんが、太陽光発電と同様「どこでも型」の風力発電として考案された小型風力発電というものもあります。小型で設置が容易なため、発展途上国など電気がまだ届いていない山間部の地域や遊牧民族用の電力として期待されています。街灯や公園などで見かけることがありますが、やはり発電力が小さく補助電源レベルに留まっており、送電網でグリッド接続されているのは多くはないのが現状です。まだ風力発電の柱のひとつして認知されるまでには時間がかかりそうです。 世界の風力発電メーカーの顔ぶれ  風力発電と太陽光発電の違いは、機器の構造にもあります。太陽光発電は太陽光パネルとバッテリーとそれを支えるフレームという非常にシンプルな構造をしているのに対し、大型化が進む風車設備は、電気機器、制御装置、駆動部、ブレードなどが凝縮された電気工学・機械工学の結晶。大型風車一基あたりの部品は2万点近くにものぼり、自動車産業にも匹敵すると言われています。そのため、風力発電産業は産業としても大規模となり、多数の雇用を生むとも言われています。 (出所:Nagigant Research、2014年の数値)  世界の風力発電メーカーの競争は激化しています。上位を占めるのは欧州勢で、1位は老舗のデンマーク・ヴェスタス社。1945年に風力タービンメーカーとして誕生し、1979年に風力発電機を製造開始。2012年時点では、累積で世界70ヶ国、46,000基以上の風力タービンを設置。2014年には世界最大8MWの風力タービンV164の試験発電を開始し、歴史・技術力ともに高い実績を誇っています。2位は老舗の独シーメンス社、洋上風力で特に強い存在感を示しており、欧州の洋上風力の約2/3はシーメンス製です。3位は、世界的な総合電機メーカーのGE、早くからで風力発電設備を手掛けており、シーメンスと同様老舗ブランドです。4位は新興の中国Goldwind社、高まる中国内需を後ろ盾にしつつ、低コスト戦略で海外市場でも力を伸ばしています。5位にはドイツのエネルコン社、7位米国のユナイテッドパワー社、8位スペインのガメサ社と風力発電の導入量が多い国の企業が並びます。また、新興勢力としては6位のインド・Suzlon社、8位の中国・明陽風電(Ming Yang Wind Power)の姿も見られます。老舗メーカー、新興メーカーともに、近年同業企業の買収合戦が展開さており、各社生き残りをかけ規模の拡大を続けています。  日本で風力発電を手がけているのは、三菱重工業、日本製鋼所、日立製作所の3社。数年前までは10位以内にランクインしていたのですが、近年、中国勢に押され、残念ながらマーケットシェア上位企業から姿を消してしまっています。日本国内の風力発電にも海外製のものが多数採用されているのが現状です。日本企業が生き残るためには、福島洋上風力コンソーシアムで高い実績を上げるともに、海外での販売力の強化や、海外M&Aが必要となります。このような市場環境下で、三菱重工業はトップのヴェスタス社と洋上風力発電事業に特化した合弁会社「MHI Vestas Offshore Wind A/S」を2014年4月にデンマーク・オーフス市に設立、両社の洋上風力発電設備事業を分割集約しました。 風力発電と証券化ビジネス  繰り返しになりますが、風力発電は太陽光発電と異なり、大規模投資事業となります。そのため、風力発電の建設は、従来は国家予算がサポートして実現していました。しかし欧米ではすでに新たな時代に突入しています。民間資金の活用です。世界には国家予算の何倍もの投資資金が運用されています。投資家にとって、魅力的な投資先とは、長期にわたって安定的にキャッシュを生み、リターンをもたらしてくれる事業。人間社会にとって今後数十年は電気が必要であることは確実で、電気料金が大きく減少するリスクも少なく、売電事業は投資家にとって魅力的に映る事業です。さらに、近年、投資家たちは社会にとって価値のある事業を投資先に選定する傾向があり(世界と日本のSRI・ESG投資最前線)、売電事業は投資先としてますます魅力的になっています。 (出所:環境省)  大規模な風力発電事業の資金調達には、証券化という金融手法が活用されています。証券化とは、プロジェクト単位で資金調達を行う手法のことです。発電事業を運営する企業(例えばソフトバンク)とは切り離された特別目的会社(SPV)を設立して倒産リスクを隔離し、SPVが発電事業を行います。こうすることで、今後発電事業を運営する企業がどうなろうとも、投資家は安心して発電事業からの収益を期待できます。SPVには、事業を運営する企業の他、投資銀行や商社、ファンドが出資し、さらに銀行がシンジケートローンを組んでレバレッジドファイナンスを実施します。こうして、年間キャッシュフローの何倍もの大規模な資金調達が可能となっています。近い将来、国内でも再生可能エネルギーを対象とした上場ファンドが誕生するとも予想されます。 風力発電と事業会社サステナビリティ  比較的導入が容易な太陽光発電は、日本国内でも固定買取価格制度の開始ともに普及しましたが、風力発電はなかなか普及してきませんでした。原因には立地制約、投資規模、プロジェクト規模などが関係しています。事業会社がCSRの一環として風力発電に取り組もうとしても、事業所内に風力発電に優れた立地はあまりなく、あったとしても膨大な投資額にリスクを取れないという状況に陥りがちです。実際に、エネルギーに対するサステナビリティの取組が多い欧米でも、風力発電を事業会社が自らの施設内に建設する企業は極めて少なく、辛うじて米Safewayなどが大規模店舗に風力発電を設置している程度です。一方で、RE100など再生可能エネルギー100%での事業運営を目指すグローバル企業たちは、昨今風力発電からの電力の購入を積極的に進めています。 (出所:日本政府エネルギー・環境会議)  再生可能エネルギーの中でも風力発電が注目されている理由には、その発電コストの低さがあります。風力は、太陽光やバイオマスより発電コストは格段に安く、好立地での風力発電は火力発電と同等です。ヨーロッパでは、風力発電が、従来型の化石燃料の発電コストを下回るグリッド・パリティをすでに迎えた地域もあります。資本効率の良い風力発電は、エネルギーのサステナビリティを高める上で欠かせません。そこで、事業会社のサステナビリティとして可能なことは、第一に自社の電力割合における風力発電の割合を高めていくために、風力発電電源の電力を積極的に購入することです。欧米のグローバル企業では、事業用電力のサステナビリティを高めていくため、事業用電力における電源別割合を公表し、再生可能電源のシェア目標を具体的に設定しています。さらなるステップとして、米グーグルのように風力発電ファンドを組成したり、ファンドに出資していくことも可能です。風力発電は、規模の大きなサステナビリティ事業であるからこそ、複数社が協力して大きな安定電源を獲得していくというアクションが必要なのです。

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2016/05/06 体系的に学ぶ

【サウジアラビア】イスラムCSR報告フレームワークのIRI、サウジ有力CSRコンサル企業加盟

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   サウジアラビアの有力なCSRコンサルティング企業、Jadat Itqan Consulting(JIC)は4月4日、イスラム圏における原則や価値規範をベースとしたCSR報告や統合報告の枠組みを提供しているIslamic Reporting Initiative(IRI)の最新メンバーとして加盟した。 【UAE】イスラムの価値観に基づく新たなCSR報告フレームワークが誕生 【UAE】イスラムCSR報告フレームワークのIRI、会員が20か国以上へ拡大  IRIは、責任あるビジネス活動を通じた社会、環境、経済全ての反映を目指しており、政府、企業、慈善団体に対してIRIを支援するよう求めている。IRIに加盟する企業は、すでに世界30カ国以上に達しており、中東地域だけでなく、米国、英国、ポルトガル、ルーマニア、オーストラリア、インド、インドネシア、マレーシアなどにも加盟企業があり、急速に成長している。世界57のイスラム教国家が加盟する国際機関、イスラム協力機構(OIC)も積極的にIRIをサポートしている。  国連グローバルコンパクト(UNGC)のMark Moody-Stuart氏は、「情報開示は、ビジネス活動が社会的信頼を獲得し、維持するために不可欠だ。IRIの狙いを私は支持する。人間社会と環境の繁栄という共通価値を重視し築き上げることを希求することを通じて、IRIはビジネスが持つ潜在的な力を活用し、国連持続可能な開発目標(SDGs)に示された目的に向かった歩みを加速してくれるだろう。」と語った。  今回加盟したJICは、サウジラアラビアのジェッダに本社を置くコンサルティング企業。CSR、コーポレートガバナンス、労働争議、企業不祥事対応など幅広いコンサルティングサービスを提供している。IRI創設者のDrs Daan Elffers氏がCEOを務めるEMGグループ社とも戦略的パートナーシップを締結している。 【参照ページ】Saudi advisory firm JIC joins IRI 【機関サイト】IRI

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【中国】銀行のCSRが進展、専門部署化進む。マイクロファイナンスにも活路

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 中国銀行業協会とPwC Chinaは1月24日、共同で中国における銀行のCSR状況をまとめた報告書「中国銀行家調査報告(2015)」を発表した。中国政府は第13次5ヵ年計画の中でも企業の社会的責任を深化させる考えを見せており、とりわけ中国経済にとって大きな影響を与える銀行セクターには注目が集まっている。今年の報告は全国区の大手行から市中銀行や外資系商業銀行まで116行を対象としている。内容からは出遅れていた銀行セクターのCSRがある程度進展している様子を伺うことができる。  銀行におけるCSR担当部門としては、専門のCSR担当部署を設けている銀行が37.5%に留まる一方、49.9%の銀行は他部門との兼務部署として設置されており、ある程度銀行の中でCSR部署の立ち上げがなされてきていると言える。とりわけ大手・中堅銀行ではCSR部署の単独部門化が動きが大きい。中国の銀行は、四大国有商業銀行(中国工商銀行、中国銀行、中国建設銀行、中国農業銀行)、民営の株式制商業銀行12行、都市商業銀行、農村商業銀行の四つに分類される。CSR専門部署を設置している割合は、四大国有商業銀行で61.5%、株式制商業銀行で57.6%と比較的高い。また中国国内の外資系商業銀行の同割合も61.5%と同水準だ。一方で、小規模な都市商業銀行や農村商業銀行では30%台前半に留まっている。  CSRに影響を与えている要素としては、銀行規模の大小を問わず「企業戦略目標」との意見が最も多かった。それ以外では、国有商業銀行では「政府の政策」と応える声が多い一方、外資系商業銀行では「社会の関心」と応える意見が二番目に多かった。CSRアクションのために金融事業として取り組んでいる内容としては、マイクロファイナンスを挙げる回答が50.3%と最も多く、次いでコミュニティ金融サービス15.4%、預金者保護12.4%となった。また、脱石炭金融やグリーン金融を挙げた数も10.8%にのぼった。CSRアクションのためにソーシャル領域で取り組んでいる内容としては、社会公益事業の支援が42.2%と最も多く、次いで従業員保護24.0%、貧困層支援15.1%、環境保護10.9%となった。  現状の課題としては、「インセンティブ制度の欠如」(28.0%)、「業務効率が低い」(20.6%)、「イノベーション意識の欠如」(21.4%)を挙げる声が多かった。  中国の銀行がCSR推進の背景として「企業戦略目標」を一番に挙げていることは注目に値する。ここからは中国の銀行がCSRと企業戦略を統合させようとしていると解釈もできるが、そもそも中国の銀行が企業戦略に何を掲げているかから判断しなければその姿勢のほどはわからない。中国経済は株式市場は低迷しつつも依然大都市圏の不動産は過熱気味だ。シャドーバンキング問題にも中国の銀行は大きく関与している。中国の持続可能な発展という壮大な試みに向けて中国の銀行が何を戦略と掲げていくか。CSRもそれに大きく左右されそうだ。 【参照URL】《中国银行家调查报告(2015)》如何履行社会责任?  

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【イギリス】ザ・ボディショップ、2020年に向けたグローバル全体のCSR戦略を公表

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 英国に本拠を置くコスメメーカー大手のザ・ボディショップは2月10日、創業40周年を記念して同社の新たなグローバルCSR戦略を公表した。  "Enrich Not Exploit"(搾取ではなく、豊かに)と題した今回の新たなコミットメントは、ザ・ボディショップを世界で最も倫理的かつ持続可能なビジネスにすることを目的とするもので、2020年までのグローバル全体におけるCSR活動および全ての事業にわたる計測可能なCSR目標を提示している。  ザ・ボディショップは、常に企業は善や変化を促進する力であると信じているとしており、新たなコミットメントも同社の基盤である卓越した倫理的原則を尊重したものとなっている。  コミットメントは原材料から製品、パッケージ、店舗、従業員、サプライヤー、キャンペーンなど同社の事業活動全体に及んでおり、CSR戦略の柱として「Enrich our people(人々)」「Enrich our products (製品)」「Enrich our planet(地球)」の3つが掲げられ、2020年までの具体的な目標として14の目標が設定されている。  「人々」については、コミュニティ・トレードの原材料を現行の19種類から40種類へと拡大すること、全世界で4万人の貧困層に対する就労支援を行うこと、「搾取ではなく、豊かに」のコミットメントに800万人の人々の参加を促し、同社最大規模となるキャンペーンを展開すること、地域社会の生物多様性保全に向けた25万時間分のスキル・ノウハウを提供することが目標として掲げられた。  また、「製品」については天然成分の100%を追跡可能かつ持続可能な形で調達し、1万ヘクタールの森林や生物生息地を保護すること、全製品カテゴリーにおいて毎年環境フットプリントを削減すること、製品の天然由来の材料、グリーンケミストリー(環境に優しい合成化学)由来の材料の使用、および生物分解性とウォーターフットプリントについて公表することなどが掲げられている。  さらに、「地球」については、新たに持続可能なパッケージの開発・提供、製品パッケージの70%で化石燃料を使用しない、全店舗のエネルギー利用量を毎年10%ずつ削減、などの目標が設定されている。  ボディショップの会長兼CEOを務めるJeremy Schwartz氏は「当社は企業として勇気をもって新たな思考、行動、主張を行っている。我々の画期的なキャンペーンは時代を先取りし、動物実験、ドメスティック・バイオレンス、人身売買に関する法律に変化をもたらしてきた。化粧品業界で初めてコミュニティ・トレードを採用し、現在も業界の中で最も有力なプログラムとなっている」と語る。  常に倫理的であることを企業としての価値観に据えて事業を展開してきたザ・ボディショップは、世界中の多くの消費者からの支持を受けて既にエシカルブランドとしての確固たる地位を築きつつある。今回のコミットメントを機に同社がどのような更なる進化を遂げるのか。今後の取り組みに期待がかかる。 【参照リリース】At Forty, The Body Shop Launches Pioneering New Commitment In Drive To Be The World's Most Ethical And Sustainable Global Business 【企業サイト】Body Shop (※写真提供:TungCheung / Shutterstock.com)

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【インタビュー】リーバイ・ストラウス Manuel Baigorri氏「持続可能なサプライチェーンとビジネスの統合」

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 リーバイス。アメリカファッションと力まないクールさを象徴するブランドだ。ジェイコブ・デイビスと創業者リーバイ・ストラウスが1873年にジーンズを発明して以来、リーバイスのジーンズは世界で最も知られるまでに成長、そのときどきの時代の人々を魅了し続けてきた。現在リーバイス・ストラウス社の商品は110以上の国で手に入れることができる。リーバイスジーンズの特許は以前に切れ、他社もデニムパンツを製品ラインナップに加えている一方、リーバイス自身のラインナップはいまだ進化を続けている。次に街でリーバイスのジーンズを見かけた時、ぜひ思い出して頂きたいことがある。そのジーンズは1873年に生まれた第1号ジーンズを脈々と受け継いでいる。あの年、先見の明のあったリーバイ・ストラウスとジェイコブ・デイビスという2人の移民がデニム生地から後に世界で最も人気を集める「ジーンズ」を創りだしたのだ。  非上場企業である同社(日本法人であるリーバイ・ストラウス・ジャパン株式会社は東証ジャスダックに上場)は、法定義務はないにもかかわらず、財務情報と非財務情報を掲載したアニューアルレポートを毎年発表している。サステナビリティを積極的に推進し、世界のアパレル業界をリードしている同社は、非常に高い評価を受けてもいる。農薬使用量を削減、現地の生産者の生活や人権に配慮した綿花栽培を促すNGO「ベター・コットン・イニシアチブ」。生産工程における水使用量の削減に取り組む製品カテゴリー「WATER<LESS™」。いずれもリーバイ・ストラウス社が積極的に取り組む活動のひとつだ。2005年からは同社ブランドの製品を生産するサプライヤー(認定工場)の名前と場所の公表にも踏み切った。ここまで透明性にこだわる企業は世界でも極めて稀だ。  実はリーバイ・ストラウス社はかつてニューヨーク証券取引所に上場していたことがある。1992年に創業家によるMBOを実施し自ら上場廃止の選択をしたが、当時は同社契約工場での劣悪労働問題も発覚していたタイミングでもあった。サステナビリティに対する理解が機関投資家界隈で乏しかった時節、サプライチェーンの体制改善に全勢力を傾け意思決定のシンプル化を図るため上場廃止を選択したと噂されている。「透明性」を企業DNAとして強く尊重する同社の背景には、そのような体験があったのかもしれない。  1月18日、リーバイ・ストラウス社でグローバル・サステナビリティ・オペレーション部長を務めるマニュエル・バイゴリ氏が、CSRアジア社主催のイベント「CSR ASIA 東京フォーラム」に出席のため来日、「サステナビリティをバリューチェンに統合する」というテーマで講演を行った。そこで私もインタビューをする機会を得た。マニュエル氏は、講演の中で、同社にとってサステナビリティとは、「リスクマネジメント」「コスト削減」「成長」「従業員エンゲージメント」の4つであると語り、日本でもお馴染みとなったCSVの考え方を披露してくれた。同社は、サプライヤーとの間で環境及び社会観点での厳しいビジネスパートナー契約条件(TOE)を設定することでも有名。すべての提携工場が基準を満たしている。また、サステナビリティ強化商品の販売数が全体の販売数の20%にまで到達している。何が巨大な老舗アパレルメーカーをこれほどまでに突き動かしているのか、インタビューで探ってみた。 リーバイ・ストラウス Manuel Baigorri氏 インタビュー サステナビリティ戦略構築は「サステナビリティ委員会」で運営 ー 経営陣の関与とCSRマネジメント体制は。  当社が関わるサステナビリティ戦略の構築や推進は「サステナビリティ委員会」で行われています。この委員会には、取締役会直下に置かれている委員会のひとつで、CEOを含む複数の取締会メンバーが参加します。議長は私の上司であるサステナビリティ担当副社長が務めます。戦略構築とレビューの意味で年1回の定例会があります。「トップライン(売上)」「ボトムライン(利益)」「リスクマネジメント」の3つをアジェンダとし、サステナビリティ観点がそれそれぞれ3つの点において貢献できるアイデアはないかという視点で議論がなされます。  トップラインにおいては何か収益に貢献できる成長分野はないか、ボトムラインではエネルギー削減や資源投下量削減などが議題になります。そして最終的にはグローバル本部の経営陣の諮問を受け(拠点長たちと話し合いの上)、具体的な年間数値目標が設定されます。その他、バングラデシュでのプロジェクト案件など複雑性の高いものについても、この委員会で案件のレビューを行います。プロジェクトチームがすでに計画している内容の確認だけでなく、計画から漏れている内容についての指示が積極的になされます。 サステナビリティ戦略には経営陣のリーダーシップが欠かせない ー 戦略策定プロセスに欠かせないものは。  サステナビリティ戦略は、私たちが所属するサステナビリティ部門が単独で作るものではなく、経営陣と一緒になって作っていきます。サステナビリティにとって良い戦略とガバナンスを築いていくためにはリーダーシップが欠かせません。    当社ではサステナビリティの側面において、多角的なリーダーシップアプローチを採用しています。軸としては「製品」「プロセス(バリューチェーン)」「消費者」の3つ、分野としては「リスクマネジメント」「コスト削減」「成長」「従業員エンゲージメント」の4つがあります。そしてこの3軸と4分野のマトリックス(掛け合わせ)でリーダーシップを発揮できるよう務めています。  3軸と4分野のマトリックスにおいてどの項目を重要視するかについては黄金率があるわけではありません。その都度、ビジネス分析、投資対効果(ROI)計算などを行い、案件ごとに最適な解を導き出しています。 現場部門との協力関係はこの10年間で大きく進化した ー サステナビリティ分野での現場との協力関係は。  当社自身も全体から見た場合のサプライチェーンの一部でありますので、かなり以前から調達という分野を改善していくことの重要性は私たちは認識してきました。そのため、調達の方法を様々な角度から改善しようと努めてきました。そしてこの10年間で調達に関するいくつかの問題を経験しました。同じサプライチェーングループ傘下のソーシング(生産委託・調達)部門とは、かなり以前から一体となって動いており、サステナビリティにおける彼らの貢献には感謝するところが大きいです。問題に直面することも時にはありましたが、ソーシング部門はサステナビリティを積極的に支持してきてくれました。今では私たちサステナビリティ部門よりも、ソーシング部門のほうがサステナビリティに関する達成基準を高く設定しようとするケースもあるぐらいです。  ソーシング部門が現地でのコンプライアンスなどで課題を抱えた時、私たちサステナビリティ部門に相談を寄せ、私たちがソリューションを検討するということも非常に頻繁にあります。例えば、委託先工場がサステナビリティ調達基準をなかなか改善できない場合、サステナビリティ部門とソーシング部門がともに委託先工場に出向いて調査・分析を行うこともあります。委託先工場のサステナビリティ評価は様々な観点から行うべきですから、(狭義の)サステナビリティに関わる問題点だけでなく、委託先工場のサステナビリティ運用能力を理解するのに役立つビジネスKPI、例えばリードタイム、製品品質なども調査対象に含めます。 委託先との長期的な関係構築が長期戦略を可能にする ー 委託先工場との関係性の変化は何か感じますか。  当社と委託先工場の関係は非常に密接になってきています。当社は2005年から委託先工場の数をおよそ半分に減らしました。それは、委託先の数を減らし、1社あたりの発注数を増やすことで、連携しながらビジネスの改善や問題への対処をより容易にできるからです。また私たちは数年後の生産・販売の状況を意識しています。そのため将来を見据え、「持続可能な開発目標 (SDGs)」を枠組みとし、委託先工場従業員の家族や地域社会を支援するプログラム「Workers Well-Being」を展開しています。  委託先工場のオーナーの立場に立つと、当社が発注数を10%増やすと言えば、当社との話し合いの場にのろうという意欲が湧きますし、さらに30%、40%という発注数増を期待してサステナビリティプログラムを積極的に導入しようとなります。こうして、当社と委託先工場との間で長期的で戦略的な関係構築が生まれてくるのです。 企業機密より透明性が重要視される時代が来る ー 透明性と企業機密をどのようにバランスを採っていますか。  企業機密より透明性が求められる時代が来ると考えています。情報開示の例として、2005年に当社が生産委託先工場の開示に踏み切った時、社内には懸念する声もありました。競合企業が当社の委託先工場の顔ぶれを知ってしまうことで、競合企業がその委託先工場にアプローチし、当社の発注を阻害しようとするかもしれないというものでした。開示後、そのようなことは実際には起こりませんでした。それは、アパレル業界においてはどの企業がどの委託先工場を使っているかは周知ですので、開示前からすでに当社の委託先工場がどこかということは知られていたからです。  同じことはアパレル業界の化学薬品についても言えます。世界トップ10に入るような大企業であれば、どの企業がどのような薬品を使っているか等の情報はすでに広く知られています。意思決定の過程で、ソーシング部門の視点からは、調達先の開示が競争力の低下につながる可能性があると懸念の声が上がりましたが、それ以上にメリットが大きいと判断し情報開示に至りました。それは協働を生み出し、困難な課題にともに立ち向かうということは、異なる分野の人々が集って初めて可能となるからです。コミュニティが求める情報の開示は、追跡が複雑なため、なおさら困難です。米国や英国では紛争鉱物規制など政府から情報開示を求める声も強まっています。  当社では透明性を重要視し、より消費者の方にわかりやすく伝えていくという方向で努力しています。例えば、「WATER<LESS™」テクノロジーによって削減できた水消費量や、ジーンズという製品がどれだけ水消費量を減らせるかということをわかりやすく消費者に伝えられるようになりました。透明性の時代が来ます。いつ来るのかはまだわかりませんが、いずれ来ると思っています。 委託先工場の開示には良い効果しかなかった ー 委託先工場開示の検討の際に社内でネガティブな意見はありませんでしたか。  委託先工場の開示には、NGOなどに課題を発見され追及されるというビジネスおよびステークホルダー上のリスクがある。そのような考え方にも理解はできます。当社でも当然、賛成派と反対派がありました。しかしながら、実際に当社が開示に踏み切ったことは良い結果だけを生みました。まず私たちはむしろNGOに発見して欲しいと思っていました。私たちが委託先工場の場所を示すことで、現地のNGOが積極的に当社委託先工場の水問題や従業員問題など様々な点に関心を示してくれました。そして、当社の経営資源が少ない地域においても、彼らNGOが積極的に自らの資源を使って状況の改善に努めてくれました。  委託工場の経営環境にとっても良い効果がありました。私たちが情報開示をすることで、どの工場が受託できているのかが公になります。すると、受託できていない企業が、サステナビリティの観点で私たちの公開リストに載っている企業を意識して比較を行い、当社の委託先工場になるためには自分たちはもっと努力しなくてはという競争意識が高まっていったのです。  昨今情報開示を進める企業が増えています。ですが情報開示は単に行えばいいというものではなく、その目的を明確にすることが大切だとも考えています。当社の委託先開示も目的をもって行いましたし、同様のことは中国の環境NGO、IPEの取組にも言えます。IPEでは政府から企業の環境情報の提供を受け、分析、情報公開を進めています。IPEでの当社のランキングは、アパレル業界において15位からついに昨年3位に、全体ランキングでは4位にまで上がりました。このようなIPEの活動は消費者に対して当社の状況をわかりやすく情報発信することに役立っています。 新規委託には厳しい条件を課す ー 新規委託先に対してはどのような基準があるか。  製品ラインナップの拡大や発注数の増加などビジネス上の都合のため、新たな委託先工場を探す場合には、新規委託先工場は、生産前に「ビジネスパートナー契約基準(TOE)を受け入れ、当社のサプライチェーン統括本部長によって認可される必要があります。 委託先工場には厳しい基準を課しつつも協働していく ー 基準を満たさない企業に対して契約打ち切りと改善要望のどちらで対応するか。  以前当社では、基準を満たさない工場への発注を即打ち切るというアプローチを採用していました。ですが、このアプローチはうまくいきませんでした。未達工場との取引がなくなり当社自身としてはリスクを回避できます。しかしながら、TOEはもともと委託先工場の従業員の待遇・労働環境の向上を目的としたはずが、発注を打ち切った結果彼らを失業させてしまう等、全くの逆効果となったのです。    今では、発注打ち切りに関しては限定的な運用を行っています。野球の「三振」のように何度かチャンスを与え、基本的には一緒に改善していくというアプローチを採っています。経験則としては、ワンストライクの段階でどの委託先工場も前向きに対処しています。委託先工場も当社から非常に厳しい基準を課されているという気持ちがありますので、協働することが大事なのです。 サブ・コントラクターにも同様の基準を課す ー 委託先工場の委託先もスコープに入れようとしていますか。  委託先工場の委託先、すなわちサブ・コントラクター(二次委託先工場)にも同様のビジネスパートナー契約条件」(TOE)アプローチを採っています。サブ・コントラクターも委託先工場の開示リストに含まれています。ですが、実際の運用には諸事情を考慮して様々なカスタマイズを行っています。例えば、イタリアの高級皮革職人の工場とバングラデシュの大規模工場とでは様々な事情が違います。適用するTOEは同じですが、どのように運用するかは今でも当社の課題事項です。  サブ・コントラクターのTOE遵守には一次委託先工場も責任を負います。例えば、一次委託先工場がサブ・コントラクター5社を活用しており、私たちのTOE監査において、一次委託先工場自身とサブ・コントラクター4社が合格、残りのサブ・コントラクター1社が不合格だったとします。その場合、私たちは最終的にその一次委託先企業に「要改善」の判定を下します。こうして、一次委託先工場にサブ・コントラクターの改善責任があるという意識を醸成しているのです。もちろんサブ・コントラクターの改善については、一次委託先工場だけでなく当社も協力して実施します。 他社に先駆けた取組の開始は大きな誇り ー 講演で紹介されたIFCとのプログラム内容の詳細は。  私たちは先陣を切って取組を開始することを誇りとし、他社がそれに続くことすら期待するということもあります。当社が1年前から国際金融公社(IFC)と実施している委託先工場へのインセンティブプログラム「IFC Trade Finance Programs」はその好事例です。このプログラムでは、当社が委託先工場のTOEの遵守状況を10段階で評価し、その評価に基づき、委託先工場はIFCから融資を受けることができるという制度です。高い評価を受ければ受けるほど、金利が安くなるということです。この制度は特に融資を受けにくい南アジアでうまく機能しています。他方、中国では銀行の融資条件が良いためあまり活用されてはいませんが。現在はTOEの遵守状況だけを評価対象としていますが、今後は例えば化学薬品管理や従業員の職場環境(「Workers Well-Being」プログラム)など他の要素も加えていきたいと考えています。  このIFCのプログラムは私たち自身がIFCに働きかけて創設されました。そのためこのプログラムを活用しているのは現在当社だけですが、他社にも参加して欲しいですし、積極的に招待したいとも思っています。 パートナーシップとネットワーキング ー 外部機関との連携の状況は。  これまでも外部のステークホルダーとのエンゲージメントを重要視してきました。また、数多くの企業が外部との連携プロジェクトなどを開始しています。が、一過性のもので終わってしまっては意味がありません。サステナビリティのためにやるのであれば、プロジェクトはやり続けるか、さらに上を目指すか、そのどちらかだと考えています。現在当社では、業界全体の事業運営をより良くしていくためのパートナーシップや、各分野のオペレーションをスムーズに遂行していくためのネットワーキングに力を入れています。長期的なパートナーシップやネットワーキングはとても重要です。これからの課題はプロジェクトアプローチから持続可能な影響を構築するための長期的なアプローチへと移行していくことです。  提携するNGOや参加するイニシアチブを当社内部で意思決定する際には、ポリシー・アドボカシー部門や広報部門などとともに部門横断のグループを形成して決定します。意思決定会議では、NGOやイニシアチブの中身、私たちが達成したい目標、活動を通じて与えられるインパクト、地域フォーカスかグローバル規模かなどの活動範囲などが考慮されます。 製品ラインナップ全体の改善が本当のサステナビリティ ー 講演で紹介された「サステナビリティ強化製品が販売数の20%に到達」の意味は。  昨年度、当社の製品販売数の20%が、サステナビリティ強化製品群の販売によるものとなりました。しかしその意味は、サステナビリティ強化製品群と通常製品群の二種類にラインナップを分けようとはしているということではありません。サステナビリティ強化製品群には、水使用量低減を実現した「WATER<LESS™」と生産者の生活改善を目指す「WELLTHREAD™」などが含まれます。私たち自身が知見を高めるために、まず例えば「WATER<LESS™」を小さくスタートさせましたが、すでに「WATER<LESS™」は全商品への拡大を考えています。それを目指さなければ、本当の意味でサステナビリティとは言えませんから。 サステナビリティだけでは消費者の心をつかめない ー エシカル消費というトレンドをどう見ているか。  消費者は私たちにとって常に中心に位置づけられており、当社に高い愛着を感じてくださる消費者のことを当社では「ファン」と呼んでいます。ファンを意識するということは、消費者の行動に影響を与えていくということです。例えば、帰宅後にどのようにジーンズを手入れしてくれるかということにも繋がってきます。消費者の行動に影響を与えるということは容易なことではありません。  これまで、消費者の行動変化を意識し様々なことに取り組んできました。「Care tag for our planet」というキャンペーンでは、ジーンズの環境にやさしい取り扱い方をアピールしましたし、インターネットメディアなどで盛んに行われるブランドランキングやソーシャルメディアにも積極的に参加してきました。そこで学んだことは、サステナビリティという側面だけでは消費者を獲得できないということです。ファンの獲得には様々な要素を組み合わせなければなりません。価格、フィット感、履き心地、そしてサステナビリティ。ですので、Levi's®のジーンズは、デザインやスタイル、耐久性なども重視し、同時にサステナビリティも追求しています。 サステナビリティ部門に求められる要素「楽観的」「勇敢」「コミュニケーション」 ー サステナビリティ業務を目指す人々へ何かメッセージを。  サステナビリティ部門の業務は難しい。ときには社内の流れに逆らうようなことをしなければいけません。だからこそ楽観的であることが大切です。そして、長年企業が培ってきた現状の打破にチャレンジしていくのですから勇敢であることも必要です。そしてコミュニケーション能力。サステナビリティでは、費用対効果分析だけでなく、人の心に寄り添うことも求められます。  サステナビリティの仕事に興味がある人は、例え自分自身が本当にやりたいことではなかったとしても、現場が求めるものから始めて見るとよいと思います。そこから見えてくるものは多いはずです。特に、雇用環境問題に触れられるソーシングやサプライチェーンに焦点を当てるのは良いスタートだと思います。従業員環境という課題に携わることができますし、この分野について専門性を高めることは、自身のキャリアにとって役立ちます。また、他部門を巻き込むより大きな仕事にも活かしていけるはずです。ときには、自分の能力以上の課題に直面して、落とし所に悩むこともあるかもしれませんが、まずは始めてみることです。 インタビュー後記  マニュエル氏の講演の中で印象に残っている一コマがあった。最後の質疑応答の中で、このような質問が出た。 「経営者にとって結果がよくわからないことを意思決定するのは難しいと思う。まだサステナビリティに関する取組をしたことがない経営者に、その意義を理解してもらうにはどうしたらいいか。」  マニュエル氏はやや困った顔をしてこう応じた。 「その質問に答えるのは当社にとって難しい。サステナビリティの価値を深く理解することは、そもそも当社のDNAになっているからです。当社ではサステナビリティに関して、試行錯誤を繰り返してきましたし、失敗も経験してきました。例えば、2006年に販売したエコジーンズは、想定より売れませんでした。しかし、だからと言ってサステナビリティに注力するのをやめようということにはなりません。むしろエコ製品の開発を通じて学んだことを活かし、翌2007年にライフサイクル・アセスメントを実施。このアセスメントが当社にとっての大きな転換点となりました。」  リーバイ・ストラウス社は、この転換点を機に、2009年に「ベター・コットン・イニシアチブ(BCI)」に参加し、2011年に「WATER<LESS™」ラインを発売する。  企業DNAというものは企業の意思決定にとって大きな意味をもたらす。リーバイ・ストラウス社にとっての企業DNAであり企業理念であるサステナビリティや透明性は、経営陣や従業員にとって一貫した価値観として機能していると感じた。企業DNAとして、企業理念を本当に企業は大事にできているのか。自ら掲げたことに誠心誠意コミットするということの大切さを見せつけられた思いがした。 参考サイト Levis Strauss CSRアジア東京フォーラム2016 CSRアジア

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【中国】信託銀行のCSRがようやく普及を開始。保証基金設立やグリーン投資等で一定の成果

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 中国で課題となるシャドーバンキングの担い手となってきた信託銀行。2001年に中国で信託法が制定されてから中国で急成長しています。2015年夏、信託業界の業界団体である中国信託業協会は「2014年信託業CSR報告書」を発行、中国における信託業界のトレンドを発表しました。  報告書によると、2014年は中国の信託業において大きな発展があり、これまでCSRという考え方があまり普及していなかった信託業において、大多数の企業が社内にCSR制度を導入。例えば、CSRマネジメント制度、CSRガイドラインや実施規則などが制定されたと言います。また、58社がCSR部門を設置、業界全体の合計で600名がCSR関連業務に就いていると言います。このような背景にはCSRの積極化を推進する政府の意向があったとも報告されています。また、同報告書では、業界全体のCSR経費が1,968万人民元(約3億5000万円)にのぼり、178回の業務トレーニングに14,034人が参加したことにも触れています。  シャドーバンキングの影響で経営基盤が不安定化する中国の不動産業界。2014年12月には、同年に財務部と銀行監督委員会が共同で発令した「信託業保証基金管理規程」のもとで中国信託業保証基金が設立されました。この基金は、信託銀行が倒産、違法取引などによって経営危機に陥った際、基金が資金を提供し信託財産の保護や資金の流動性確保を行うというものです。この基金の設立には中国信託業協会および主要信託銀行も大きく後押ししており、報告書の中にも成果として記載されています  それ以外では公益信託の伸長、グリーン融資の活発化なども盛り込まれました。公益信託の分野では、資産規模が18.6億人民元(約338億円)、公益信託への寄付金額が合計1.39億人民元(約25億円)に上りました。グリーン融資の分野では、省エネルギー設備や環境保護、クリーンエネルギー等の部門に対する557億人民元(約1兆円)の融資があったことを明らかにしました。信託銀行自身へのグリーン経営に対して合計で3,278万人民元(約6億円)が費やされました。  しかしながら、今回信託業協会が業界全体のCSR報告書をまとめたのに対し、信託銀行自身のCSR報告書の発表は依然8行に留まっていることも指摘されており、中国の信託銀行が先進国の信託銀行ように「赤道原則」に署名するなどには遠く及ばず、まだまだ始まったばかりという状況です。 【機関サイト】中国信託業協会 【参照リリース】信托业2014年度社会责任报告发布 多家公司切入“绿色信托” 【参照リリース】《中国信托业2014年度社会责任报告》摘登

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