米国では、サステナビリティ報告書の発行は上場企業にとってのスタンダードとなりつつある。サステナビリティ関連調査を手掛けるG&Aインスティテュートの調査によると、S&P500社のうちサステナビリティ報告書を発行した企業の割合は、2011年度の20%から今年は75%まで増加したことが分かった。企業のESG課題への対応状況を知りたい株主やステークホルダーからの要求がますます高まってきていることを示している。
S&P500は米国の投資情報会社、スタンダード・アンド・プアーズ社が公表している米国の代表的な株価指数で、ニューヨーク証券取引所、アメリカン証券取引所、NASDAQの上場銘柄から代表的な500銘柄が算出される。米国経済はもちろん、世界の金融関係者からの注目度も最も高いインデックスの一つだ。
4年前からS&P500社のサステナビリティ報告書発行状況をモニタリングしているG&Aインスティテュートによると、2011年度は20%にも満たなかった発行企業の割合が、2012年度は53%、2013年度には72%、そして今年は75%と、毎年堅実なペースで増加しているとのことだ。
G&AインスティテュートのLouis D. Coppola氏は「報告数の増加とともに、サステナビリティ報告の内容も大きく成熟してきている。ステークホルダーからの高まる期待に応えるために、マテリアリティや比較容易性、バランス、コンテクストの提示といった点を意識した報告が増えてきている」と語る。
なお、S&P500社のうち、2014年度のサステナビリティ報告書を公表しなかった企業を業界別に見てみると、最も多かったのは一般消費財(24社)、金融(24社)で、情報技術(20社)、工業(18社)、ヘルスケア(15社)、エネルギー(12社)と続く形となった。
【参照リリース】Seventy-Five Percent (75%) of the S&P Index Published Corporate Sustainability Reports in 2014
【企業サイト】G&A Institute, INC.
【企業サイト】S&P Dow Jones indices
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