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【国際】UNEP、空調・冷蔵のCO2削減提言レポート発表。今後40年間で最大4,600億t削減

 国連環境計画(UNEP)は7月17日、国際エネルギー機関(IEA)と協働し、空調・冷蔵の二酸化炭素排出量に関するレポート「Cooling Emissions and Policy Synthesis Report」を発表。省エネ性能空調・冷蔵に向けた国際的な取り組みにより、今後40年間で二酸化炭素排出量2,100億tから4,600億tの削減が可能だとした。

 同レポートでは、省エネ性能空調・冷蔵に向けた国際的な取り組みは、モントリオール議定書「キガリ改正」に統合することで、その多くが制度化が可能だと指摘。HFC(ハイドロフルオロカーボン)の生産と使用削減を行うことで、2100年までに気温上昇を0.4℃抑えることができるとした。キガリ改正とは、オゾン層破壊効果が低いと製造業で使用が普及していたHFC、通称「代替フロン」が温室効果ガスとして気候変動に悪影響を与えるため段階的に規制することを決めたもの。

【参考】【国際】モントリオール議定書キガリ改正、2019年1月発効。HFC32対応に追われる日本政府と日本企業(2017年12月7日)
【参考】【環境】オゾン層保護のモントリオール議定書「キガリ改正」〜代替フロンからノンフロンへ〜(2016年12月31日)

 気候変動に伴う気温上昇や、新型コロナウイルス禍での暑い国におけるロックダウン中の長期自宅滞在、ワクチンの温度管理等で空調・冷蔵需要が高まっている。一方、空調・冷蔵は、化石燃料の活用によりハイドロフルオロカーボン(HFC)や二酸化炭素、黒色炭の排出源。空調・冷蔵需要全てに答えた場合、2050年までに140億台が必要となるという。

 IEAは、2050年までに空調のエネルギー効率を2倍にすると、2018年の中国とインドの石炭火力発電総容量に相当する1,300GW削減が可能だと分析。空調のエネルギー効率を2倍にすると、2050年までに発電、送電、配電コストを最大2.9兆米ドル(約305兆円)削減できるとした。

 その他には、空調・冷蔵の二酸化炭素排出量削減イニシアチブ「Cool Coaltion」や省エネ空調・冷蔵推進イニシアチブBiarritz Pledge等への参画、パリ協定の下での気候にやさしい空調・冷蔵への移行に向けた国家計画の推進、設備効率改善のための最小エネルギー性能基準とエネルギー効率表示の開発と実施、建築基準の促進、建物設計の改善、非効率的な空調・冷蔵技術や環境に有害な製品の廃棄防止キャンペーンの実施、食品廃棄の削減等を取り組みの選択肢とした挙げた。

【参照ページ】Cooling Emissions and Policy Synthesis Report
【参照ページ】Climate-friendly cooling could cut years of Greenhouse Gas Emissions and save US$ trillions: UN

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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