保険世界大手仏アクサは6月29日、2023年版の気候変動と生物多様性レポートを公表し、保険ポートフォリオと投資ポートフォリオ双方における新たなカーボンニュートラル目標を発表した。
保険ポートフォリオでは、再生可能エネルギー事業に対する保険ビジネスの拡大の他、自動車業界向けの保険引受での排出原単位削減、同社最大の保険顧客での排出総量削減、エンゲージメント等を設定した。
個人向け自動車保険の原単位排出量では、2030年までに2019年比20%削減。グループ最大の商業保険顧客の排出総量削減では、2030年までに、2021年比30%削減し、その他の法人顧客の原単位排出量を20%削減する。
同目標は、同社が独自開発の新たな算出メソドロジーに基づき設定。データの入手可能性が向上するにつれて進化させていくという。
具体的には、2026年までに再生可能エネルギー分野や、低炭素ビジネスモデルへの移行が進む分野での事業を拡大。2030年までにグループ内で最重要な個人向け自動車ポートフォリオでの排出原単位を2019年比で20%削減する。顧客以外も含めた社外ステークホルダーやパートナーへのエンゲージメントも強化し、移行を支援する。
一方、投資ポートフォリオでは、投資活動による二酸化炭素排出量削減を継続。一般勘定資産のカーボンフットプリントを2030年までに2019年比50%、2025年までに2019年比20%削減する。エンゲージメントと移行に向けた資金調達も強化する。
気候変動・生物多様性レポートでは、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)と自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)に対応する形で作成。主要指標の一つに設定した「グループ・ポートフォリオの推定気温上昇」では、同社の一般勘定ポートフォリオで保有する社債および株式が、2050年までに気候に与える影響を測定した。2022年の気温上昇幅は2.5℃で、同様の手法で算出した昨年より0.1℃低下し、依然として市場平均の2.7℃を下回っていると分析した。
【参照ページ】AXA announces new decarbonization targets and publishes its 2023 Climate & Biodiversity report
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