豪小売大手ウールワースは6月1日、全ての宅配トラックを2030年までに電気自動車(EV)に転換する目標を発表した。同目標は、オーストラリアのスーパーマーケットとして初。全社で保有する内燃機関車3,000台を廃止し、2030年までに業務用輸送での二酸化炭素排出量を60%削減する。
同社は現在、宅配トラックを1,200台保有。今後2ヵ月間、顧客向けの食料品配送での車両転換を開始し、2027年までに内燃機関車からの切り替えが完了する見込み。
同社はまず、シドニーで新たにEVを27台導入。北京汽車集団(BAIC)傘下の北汽福田汽車と上海汽車集団(SAIC)が生産した車両を採用し、同社カスタマーフルフィルメントセンター(CFC)からの宅配で用いる。同車両には、車載バッテリーで作動する最新の電気冷凍システムが搭載されており、食料品の保冷も可能。また同国では商業用車両向けの公共EVインフラが不足しているため、同社カスタマーフルフィルメントセンター(CFC)には、EV充電インフラも整備した。
また同社は6月2日、新たな「和解の行動計画(RAP)」を発表した。RAPは、同国先住民と非先住オーストラリア人との格差是正に向けた具体的なアクションと、和解のための自主目標。同社では、オーストラリア人従業員18.5万人のうち、4,500人以上を先住民が占め、同国先住民の最大雇用者の1つ。
新たなRAPでは、2021年の国勢調査における同国のアボリジニおよびトレス海峡諸島民の人口に合わせ、2025年までに先住民の従業員比率を現在の2.6%から少なくとも3.2%まで増加させる目標を設定。今後2年間、管理職を含め数百人規模で先住民を採用する考え。
また同社は、同国で最も遠隔地にある地域コミュニティと協働し、同地域での手頃な価格で栄養価の高い食品アクセスの拡大を目指すと説明。その他にも、先住民が経営するサプライヤーへの支出を拡大し、事業の成長を支援する。
同社は2021年、先住民族に関し、広く忌憚のない助言を提供する委員会「ファースト・ネーションズ・アドバイザリー・ボード」を設立。同委員全8人中6人は、先住民で構成されている。
【参照ページ】Greener groceries to your door as Woolworths Group accelerates towards 100% EV home delivery fleet
【参照ページ】Woolworths Group reaffirms commitment to a better tomorrow for Indigenous Australians in new Reconciliation Action Plan
【画像】Woolworths
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