機関投資家の気候変動アクション・イニシアチブClimate Action 100+(CA100+)は5月9日までに、今回の株主総会シーズンでの気候変動関連の株主提案と経営陣提案の合計29本に対し「フラグを立てた」と発表した。機関投資家に対し議決権行使での留意を促した。
「フラグ」が立った議案について、CA100+は「支持すべき」という意を込めてはいるが、特定の議決権行使そのものを強要しておらず、加盟した各機関投資家の裁量に任されているという立場を採っている。
「フラグ」が立ったのは、シェル、シェブロン、エクソンモービル、トタル・エナジーズ、ヴァレロ・エナジー、フォルクスワーゲン、バークシャー・ハサウェイ、インペリアル・オイル、ロッキード・マーチン、CRH、マラソン・ペトロリアム、PACCAR、エンジー、エクイノール、Martin Marietta Materials、サザン・カンパニーの議案。
例えば、シェルに対しては、2030年の製品使用のスコープ3での二酸化炭素排出量削減目標をパリ協定に整合させることに関する株主提案や、同社の取締役側が提案したエネルギー・トランジション計画を否認する株主提案等にフラグを立てた。シェブロンに対しては、取締役2人の再任反対に関する株主提案にフラグを付けた。バークシャー・ハサウェイに対しては、気候変動に関する機会・リスク開示や、マテリアリティの取締役会での監督等を求める株主提案にフラグを付けた。
CA100+は今回、必ずしも賛成多数を取らなくても、一定数を超えれば企業の経営方針に介入できるとの見方を示している。具体的には、ブラックロックの2021年の調査で、30%以上の票を獲得した議案の75%で企業が行動を起こすに至っているとのデータや、グラスルイスも最近、20%以上の票を獲得した議案は、投資家と取締役会とのエンゲージメントにつながるべきと勧告していることを伝えた。
【参照ページ】AS THE 2023 PROXY SEASON CONTINUES, INVESTORS ARE CALLING ON CLIMATE ACTION 100+ FOCUS COMPANIES FOR MORE ROBUST CLIMATE ACTION
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